ハリスもトランプも「米国に好ましくない選択」だ ジョン・ボルトン元大統領補佐官に聞く【後編】

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トランプ氏を好まない共和党支持者にとって、バイデン大統領が1年くらい前に撤退しなかったのはあまりにも残念だ。ハリス氏はトランプ氏より20歳近く若い。バイデン氏がもっと早く不出馬宣言をしていたら、共和党内で(トランプ氏では民主党の若い候補者に勝てないという認識が広がり)トランプ氏以外の候補者が選ばれ、彼の指名を阻むチャンスがあったかもしれない。

昨年のインタビューで、最も望ましいシナリオはトランプ氏の指名獲得を阻止することだと、私はあなたに話した。ほかの共和党候補者がバイデン大統領以外の候補者と戦うほうが、はるかにいい選挙戦になったことだろう。

共和党に有望な人材は多いが、「推し」はいない

――トランプ氏が負けた場合、共和党を元の軌道に戻すキーパーソンは?

キーパーソンは1人ではない。未来に向けたアイデアを持った人材がたくさん出てくるだろう。2016年と2024年の共和党予備選で戦った候補者が何人もおり、それ以外にも多くの新進政治家がいる。共和党の強さは、レーガン大統領の時代から一貫して、「アイデア(着想・考え・思想)の党」であることだった。候補者の「キャラクター」ではない。

だが、トランプ氏の選挙戦へのアプローチ法は「キャラクター」だけだ。「トランプ」という個性、それに尽きる。政策ではない。彼の問題はそこにある。

共和党が国政・外交問題にどう対処していくべきかについて、今後、党内で侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論が展開されることだろう。

――2028年の大統領選で期待できそうな共和党の候補者はいますか。

有望な人材は数多いが、これという「推し」はいない。幸運にも、そのうちの多くの人々に会う機会を持てた。もちろん、候補者らについて私見はあるが、次期大統領選に出馬するかどうかを決めるのは彼ら自身だ。多くの人が出馬を真剣に検討してくれると、確信している。

肥田 美佐子 ニューヨーク在住ジャーナリスト

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ひだ みさこ / Misako Hida

東京都出身。『ニューズウィーク日本版』編集などを経て、単身ニューヨークに移住。アメリカのメディア系企業などに勤務後、独立。アメリカの経済問題や大統領選を取材。ジョセフ・E・スティグリッツなどのノーベル賞受賞経済学者、「破壊的イノベーション」のクレイトン・M・クリステンセン、ベストセラー作家・ジャーナリストのマルコム・グラッドウェルやマイケル・ルイス、ビリオネア起業家のトーマス・M・シーベル、ジム・オニール元ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長(英国)など、欧米識者への取材多数。(連絡先:info@misakohida.com)

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