ハリスもトランプも「米国に好ましくない選択」だ ジョン・ボルトン元大統領補佐官に聞く【後編】

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――トランプ氏が負けたら、何が起こると思いますか。2020年に続いて敗北を認めず、支持者らが連邦議会を襲撃した事件が再来するのでしょうか。

トランプ氏が負ければ、今回も選挙結果に異議を唱えるだろう。彼は2020年、まだ大統領執務室に身を置いていたとき、結果を覆そうとして失敗に終わっている。

ひるがえって今年、彼が選挙結果を知るのは、フロリダ州の私邸「マール・ア・ラーゴ」だ。プールサイドに座っているかもしれない。大統領ではない立場で結果をひっくりかえそうと試みても、前回に輪をかけて困難を極めるだろう。私はそうした試みがまた失敗すると確信している。

トランプ氏には、もはやワシントンにいたころのような権力はない。その違いが、前回とは異なる非常に重要な点だ。トランプ氏の支持者らが再び議会襲撃のために結集するとは思わない。そうしたやり方では大統領選の敗北に対処できないことが彼らにもわかったはずだ。

(支持者らが結集しなければ)トランプ氏は腹を立てるだろうが、支持者らは、もはやトランプ氏のために自らを危険にさらすようなことはしないだろう。

――支持者離れが起こっているのでしょうか。

一部の層におけるトランプ支持は依然として非常に強固だ。彼らは選挙プロセスの正当性に不信感を持っているが、「結果」を受け入れることが大切だ。

トランプ氏が、選挙結果に挑む正当な理由があると思うのなら、(大接戦だった)2000年の大統領選で民主党のアル・ゴア候補が共和党のジョージ・ブッシュ候補(子)に対してやったように、トランプ氏もハリス氏に法廷闘争で挑めばいい。

だが、法的権利を行使するからには、ひとたび裁判所や行政機関が判決を下したら、もはやそれまでだ。敗北を受け入れなければならない。それが「民主主義」の基本だ。

――トランプ前大統領は先月、アメリカのメディアに対し、今年の大統領選で負けたら2028年に出馬する意向はないことを明らかにしました。トランプ氏の言葉を信じますか。

今回ばかりは、彼が「本当のこと」を言っていると思いたいね。二度と出馬しないよう願っている。そうなったら、私にとっては嬉しい限りだ。

次ページ共和党の将来をかけた戦いは続く
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事