長期投資で成功する人の「黄金法則」とは何か 長期で保有する「売らなくて良い株」の見つけ方

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今回のような、相場の混乱は長期投資にとってはチャンスだと述べました。チャンスというのは、この混乱に乗じて儲けることができるという意味ではありません。

まずは、自分の資産管理のチェックができます。どうしても一本調子の相場が続くと、ポジションを取り過ぎるものです。そうすると今回のような相場で意思に反した行動を取らざるを得なくなるという経験をした方もいるでしょう。

できればうまく立ち回ることに憧れるよりも、淡々と自分のやり方を続けることができるのが長期投資では良いやり方です。自分が安心して保有できる株式や外貨建て資産の額を再確認してみるとよいでしょう。

そして、長期で付き合える企業やファンドを見極めることができるということ。今回は短すぎて企業行動の確認までは難しかったのですが、ファンドに関しては一部影響を受けたものもあったかもしれません。

相場の混乱を楽しむ余裕を

株式や投資信託への投資は、それがダメだと思えば入れ替えることも可能ですが、できれば長期で付き合える相手を見つけ保有し続けるのが、精神的にも良い方法です。

人生の中で究極の選択を迫られ、そのときにパートナーの本性を知るというようなことがあれば大変ですが、投資であれば、所詮、損益の世界であり、たとえ損が出たとしても、自分が長期で付き合える投資対象を見つけることができればラッキーです。そのように考えれば、相場の混乱も楽しむことができます。

そして、そのような姿勢で相場の混乱に対応することによる追加的なメリットもあります。それは、市場を落ち着いて客観的に見つめることができるということです。

自分自身も混乱に巻き込まれ必死に対応していると、嵐に巻き込まれている木の葉のようになってしまいます。しかし、吹き飛ばされている木の葉やその他のものを外から観測しながら、そのものの本質を見極めようとしていると、嵐の風の流れ自体も見えてきます。風の流れを必死に読むのではなく、一歩離れて見ることで、見ようとしなくても見えてくるものがあるわけです。

もちろん、風の流れがいつも見えるわけではありません。それでも何回に1回でも風の流れが見えれば、それで十分! そのときは思い切ってポジションをとってみるのもよいでしょう。また、仮に風自体は読めるようにならなくても、嵐に巻き込まれる木の葉になるよりはましなのです。

プロの投資家は、日々相場と対峙することが求められます。しかし、個人投資家はそのような仕事ではないわけですから、できるだけ余裕をもって日々取るポジションは一定の範囲内に抑え、相場の混乱があったときは、本質を見極める絶好のチャンスと思い、企業やファンド、他の投資家の行動を観察してみるとよいのではないでしょうか。

河北 博光 ファンドマネジャー

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かわきた ひろみつ / Kawakita Hiromitsu

ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン株式会社シニアポートフォリオマネージャー(日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト)。ニッセイアセットマネジメント株式会社、シンガポールのAPSアセットマネジメント日本株CIOなどを経て現職。2019年Citywire Asiaが選ぶベスト日本株マネージャー10名の一人にも選出。海外の有力な投資家を直接知る数少ない日本株ファンドマネージャーの一人。著書に『株主に響くコーポレートガバナンス・コードの実務』(共著、同文館出版)、『世界標準の資産の増やし方』(東洋経済新報社)がある。

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