JR西の新観光列車「はなあかり」完成までの舞台裏 車内のサービスは日本旅行のツアコンが担当

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

JR西日本の観光列車のラインナップは2タイプに分かれている。最初のタイプ豪華観光列車の「TWILIGHT EXPRESS(トワイライトエクスプレス)瑞風」と夜行の長距離列車であるウエストエクスプレス銀河。西日本エリアのエリアを限定せず走る列車として設定されている。そして、もう1つのタイプが西日本エリアの地域ごとに走る列車。金沢―和倉温泉間を走る「花嫁のれん」、岡山―津山間を走る「SAKU美SAKU楽」など、地域ごとにさまざまな観光列車が走っている。そこに昼間の時間帯において、季節ごとに運行エリアを変えて各地を走る中距離の観光列車を最初のタイプのラインナップに加えたいとJR西日本は考えた。

従って、はなあかりは北陸に特化した観光列車ではない。完成のタイミングから、最初の運用は北陸エリアが選ばれた。季節が変われば、ほかのエリアに投入される。

ほかの鉄道会社では古い車両を観光列車に改造したことにより、観光列車としての寿命が短く、すでに引退を余儀なくされた車両もある。今回、JR西日本はこの観光列車を長期にわたって運行したいと考えた。さらに非電化区間を含むエリア各地を走ることも考慮し、特急「はまかぜ」用に製造されたキハ189系を改造することにした。キハ189系は気動車であることに加え、2010年に製造された比較的新しい車両であるため寿命は長そうだ。

はなあかり 先頭車
はなあかりは特急「はまかぜ」のキハ189系を改造した(撮影:尾形文繁)

1人当たりの面積をできるだけ広く

運賃・料金設定も「新幹線のグランクラスほど高くはないが、全席グリーンにしてゆったりと優雅にくつろいでいただきたい」という方針も決まった。川西氏の起用も早い段階から決まった。「川西氏はJR西日本の事情をよく理解しているし、JR西日本の地域共生の考え方も理解している」とJR西日本マーケティング本部鉄道マーケティング部の緒方伊久磨氏が話す。

川西氏 はなあかり
車両の前で記者の質問に答えるデザイナーの川西康之氏(撮影:尾形文繁)

デザインを決めるにあたり、「客室は少なくとも新幹線のグリーン以上のグレードにしないとお客様は満足しない」と川西氏は考えた。「在来線の車両は新幹線よりも小さいので、1人当たりの占有面積が新幹線と同じでも狭く感じる。新幹線のグランクラスに乗ってきた人もいる。敦賀で乗り換えたら“あれ、さっきより狭い?”となってしまう」。

はなあかり グリーン車 車内
1人当たりのスペースが広いはなあかりの車内(撮影:尾形文繁)
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事