蔚来汽車は電池交換式EVのパイオニアであり、BaaS(バッテリー・アズ・ア・サービス)と呼ばれる車載電池のリース事業を展開している。交換式の電池ユニットをリースすることで、ユーザーが車両購入時の初期費用を抑えられる仕組みだ。同社によれば蔚来ブランドのEVの購入者は、現時点で8割超がBaaSを選んでいるという。
楽道ブランドのEVも同じく、電池ユニットのリースを選べる。その場合、L60の車両価格は14万9900元(約303万円)からとなり、電池のリース料は容量60kWh(キロワット時)のユニットが1カ月599元(約1万2104円)、容量85kWhのユニットが同899元(約1万8166円)だ。
蔚来汽車は、楽道ブランドでも購入者の多くがBaaSを選択すると予想している。そうなれば、L60は中国自動車市場のボリュームゾーンの上限にあたる15万元(約303万円)前後のセグメントで勝負できる。
EVの拡販余地に着目
「15万~20万元(約303万~404万円)の価格帯は、外資系メーカーのエンジン車にとって『最後の砦』だ。VW『ティグアンL』やトヨタ『RAV4』などの人気モデルは、いずれもこのセグメントに属している」
蔚来汽車の高級副総裁(上級副社長に相当)で楽道ブランドの責任者を務める艾鉄成氏は最近そう発言し、外資系メーカーの市場シェアを積極的に奪いに行く考えを示した。
業界団体の全国乗用車市場信息聯席会のデータによれば、2024年1月から8月までの新車販売台数に占めるEVおよびPHV(プラグインハイブリッド車)の比率は、15万~20万元の価格帯では36.8%と、15万元以下の大衆車や20万元以上の高級車よりも低かった。
逆に言えば、15万~20万元の価格帯ではEVが市場シェアを拡大する余地がまだ大きい。その商機をつかむべく、蔚来汽車はL60の生産能力を10月までに月間5000台、12月までに同1万台に引き上げる計画だ。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は9月20日
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