百田尚樹「鳥取ディスりで炎上」がダメージない訳 鳥取県出身の筆者が"炎上発言"に言いたいこと

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鳥取県出身といっても、筆者は地元を離れて30年以上になるし、東京在住歴のほうが長い。地元意識は希薄であるし、石破氏を積極的に支持しているわけでもない。他の鳥取県出身者や在住者にも、同様の人が少なからずいると思う。

しかしながら、鳥取県からこれまで1名も総理大臣が出ていない状況がある。中国地方の中でも唯一、総理大臣を輩出していない県で、周辺県と比べて、地元に利益誘導がされてこなかったという実態もある。

このご時世、利益誘導は期待すべきではないだろうが、石破氏の支持者ではなくとも、地元から総理大臣が出ることを好ましく思っている鳥取県民、鳥取県出身者は多いのではないだろうか。

百田氏の発言は、石破氏に対する反発心から、つい彼の地盤である鳥取まで叩いてしまったのだと思うが、結果的に石破氏を支持していない鳥取県民まで敵に回してしまうような物言いだったかもしれない。

もっとも、こうした失言をしてしまうのは、百田氏だけではない。

9月12日、ジャーナリストの青木理氏がYouTubeの番組で、ジャーナリストの津田大介氏から「人々はなぜ自民党に投票し続けるのか」と聞かれ、「劣等民族だから」と答えて、批判を浴びた。

青木氏は後に謝罪をしたが、自民党に投票した人たちのみならず、多くの人たちから反発を買う、不適切な発言だったと思う。

米大統領候補のトランプ氏も、テレビ討論会でハイチ系移民について「彼らは犬を食べている。猫も食べている。住民のペットを食べている」と発言して激しい批判を浴びた。

ある集団を十把一絡げにして根拠のない理由で叩くことは、何の利益ももたらさないことは肝に銘じておきたい。

謝罪の内容にも問題があったが…

さらに百田氏は謝罪をしてはいるが、誠実な対応だったとは思えない。失言をした場合、後で取り消したところで、完全に収まるわけではない。多くの人は、「謝罪はしたけど、本音では悪かったと思っていないだろう」と考える。

謝罪をするなら、誠実かつ丁寧に行うことが重要だ。

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