35歳以上の結婚「飲食の相性」重視する人が多い訳 「やっと巡り合えた!」の幸せが伝わってくる

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<食事はコンビニ弁当でいいから最先端の流行の服を着ていたいという方と、服はUNIQLOでいいから美味しいものを食べたいという方は合わないでしょう。これは価値観の相違と言えますが、たいていの場合は価値観とは金銭感覚と言い換えることができると思います。何にお金を使いたいか、というのが価値観であり、これが違うと合わせるのは大変になると思います>

夫婦関係の維持にいちばん重要なこと

これまで「飲食の相性」を重視する人たちの声を紹介してきたが、今回得た51人からの回答を筆者の主観を入れつつまとめると、晩婚さんたちの結婚における重要度は以下の通りだ。1位は「コミュニケーション」で、2位は「金銭感覚」、3位が「飲食の相性」だ。

コミュニケーションと言っても、恋人時代のような弾む会話はなくてもいいようだ。大事なのはトーク力ではなく、細かなことも口に出して伝えられる家庭の雰囲気であり、お互いの姿勢なのだ。感情や意見を率直に話せる相手だからこそパートナーシップを築ける。

また、お金抜きでは現代の生活は成り立たない。デートはすごく盛り上がる相手であっても「暮らしにおいて何にお金を使うのか」という価値観が大きくズレていたら人生の伴侶になるのは不可能だ。

なお、夫婦関係の維持にいちばん重要な点として「尊重」「許容」「思いやり」「歩み寄り」「感謝」といった言葉が多く挙がった。これは食の相性、金銭感覚、労働意欲、家族観といった価値観の前提となる概念である。長い時間を別々に歩んできた2人の価値観が完全に一致することなどはあり得ず、その違いを許し合って歩み寄ったり1人の時間を尊重したりすることが大切なのだ。

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余談になるが、今回のアンケート調査のついでに東京で連載10周年記念ランチ会を企画した。飲食好きの「晩婚さん」に集まってもらったら楽しいだろうと思ったのだが、急遽不参加になってしまった筆者をみなさんZoom越しに笑って許してくれた。これも許容と思いやりの表れなのだろう。

35歳以上で結婚した人を訪ね歩いている本連載。苦労や悲しみを乗り越えて現在の生活をつかみとった経験が彼らを優しくおおらかにしているのかもしれない。今後の取材でもそんな人たちから味わい深い話を聞き取っていきたい。

連載10年を記念して、飲み食い好きの晩婚さんたちを誘ってランチ会を企画。場所は東京・門前仲町の燻製バル「KoO」。台風で新幹線の運休が続き、主催者である筆者(愛知県在住)が参加できない事態に。それでも17人もの方が来て、イラスト担当の堀江さんと編集担当の吉川さんも加わって盛会になりました!
本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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