アユーラは事業として、長く赤字が続く不採算ブランドだった。が、アインファーマは、「1年以内での黒字化も可能」(水島利英専務)と意気込む。不振の原因であるラインナップの偏りを修正し、多様な価格展開によって、高止まりした顧客の年齢層を若返らせる算段だ。元資生堂ブランドは、アインファーマのPB(プライベートブランド)化粧品として、再スタートを切る。
資生堂がアユーラを売却した意図は明確である。「ブランドが多すぎる」からだ。100以上のブランドを抱える資生堂にとって、1ブランドにかける予算は限られており、自社ブランド内で客層が被るのが悩みの種だった。
同社は目下、「プロ経営者」である魚谷雅彦社長の下で、強いブランド作りを目指した改革の真最中だ。2020年を目標に、「エリクシール」や「クレ・ド・ポー・ボーテ」などの上位15ブランドで、売上高の90%を構成できるよう、ブランドの選択と集中を進めている。
すでに資生堂は2014年、仏ロレアルに対し、仏子会社2社を約320億円で売却。次の手として、不採算のアユーラ売却を断行した。前2015年3月期のアユーラの売上高は27億円強で、連結売上高7777億円を誇る資生堂にとっては、「規模が小さく、全体に与える影響は軽微」(同社)。
アインファーマのうまみとは?
その反面、アインファーマ側のうまみは大きい。背景には、現在の本業である、調剤薬局業界の厳しい事情が見逃せない。業界の市場規模は約7兆円で、コンビニよりも多い5万7000店がひしめく。今は社会保障費からの補填で業界が支えられているものの、ジェネリック(後発)医薬品による処方箋の単価下落が圧迫しつつある。近年同社は、積極的なM&Aと新規出店による人海戦術で攻勢をかけており、前2015年4月期は100店以上が加わった。結果、同業他社の中で、独り勝ち状態。しかし、今後は政府による規制緩和を受け、収益率の低下は避けられない。
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