2年半で5割値上げ「うまい棒」それでも愛される訳 価格アップで見えた、消費者との「信頼の貯金」
値上げの理由としては、「主原料であるコーンや植物油をはじめとした原材料全般の価格上昇が進み、人件費・包装資材費・配送費等も更に大きく上昇」してきたことを挙げている。
値上げ幅としてみれば、3割近くとなるが、SNSを見る限り、「いままで維持してくれたことに感謝」「むしろ20円でもいい」「企業努力のたまものだ」といったファンからの声がほとんどで、好意的に受け止められているようだ。
実はうまい棒は、2年半前の2022年4月にも、発売以来維持してきた10円から12円へ値上げしている。当時も「原材料全般の価格上昇に加え、包装資材・物流費・人件費も大幅に上昇」していることを理由にしていたが、その際にも歓迎ムードが漂っていた。
通常だと「食品の値上げ」といえば、反発が起きてもおかしくない。しかも、うまい棒の場合は、2年半という短期間で、50%もアップする。値上げ幅だけ見ると、かなりの差となるが、バッシングの的にはならなかった理由には、消費者からの「愛」の大きさがありそうだ。
値上げ時に応援された「ガリガリ君」
商品に対する消費者の愛が、値上げですら好印象を生ませる。そうした事例で、まず思い出したのが、赤城乳業の氷菓「ガリガリ君」だ。2016年に60円から70円に値上げしたが、今回のうまい棒同様に、メーカーを応援する声が相次いだ。
ガリガリ君は当時、25年ぶりの値上げだった。工場前で社長をはじめとする役員や従業員が頭を下げるテレビCMを放映したことも、大きな話題を呼んだ。ちなみに2024年3月には、さらに80円へと上がったが、その際もネガティブな印象は生んでいないようだ。
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