インスタが「子どもの安全対策」なぜ今なのか 全面対策の発表は保身のためという声も
インスタグラムの今回の変更がどれくらい有効なのかは不透明だ。メタは少なくとも2007年から、未成年者を不適切な接触やコンテンツから保護すると約束してきた。
さまざまな州の司法長官から、フェイスブックには性的に露骨なコンテンツがあふれており、大人によるティーンエイジャーの誘惑を可能にしている、と注意されたことを受けての措置だった。
以来、メタはソーシャルネットワーク上で若者を保護するツールや機能、設定を導入してきたが、必ずしも成果が上がっているわけではない。
たとえばインスタグラムは2021年に、新規アカウントの開設者が16歳未満と示されている場合には、そのアカウントをデフォルトで非公開にすると発表したが、当時のアプリではユーザーが設定を変更するだけでアカウントを公開に切り替えることができた。
16歳未満には親の同意が必要になるが…
今回の変更では、16歳と17歳のユーザーは、デフォルトで非公開とされた設定を自分で公開に切り替えることができる。しかしインスタグラムによると、16歳未満のユーザーによるアカウントの公開には、親の許可が必要になるという。
ウィスコンシン大学医学部の小児科教授で、青少年とソーシャルメディア利用の問題について研究しているメーガン・モレノは、インスタグラムが若者を対象に新しいデフォルト設定を導入する意味は「大きい」と話す。
それでも、今回の変更では直接解決されない目立った問題がある。インスタグラムの登録時に年齢を偽る未成年者には対処できないからだ。新しい設定と機能は、未成年者として登録されたアカウントに自動で適用される。
また、インスタグラムの利用規約は13歳未満の子どもによるアプリ利用を禁じているが、「ティーンアカウント」は規定年齢未満のユーザーを検索して削除するようには設計されていない。