国内唯一「純正キャンピングカー」日産の回答 キャラバン「マイルーム」への期待と課題

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運転席まわりは、後部の居室と分けるようにあえてブラック基調となっている(筆者撮影)
運転席まわりは、後部の居室と分けるようにあえてブラック基調となっている(筆者撮影)

こうしたキャラバン マイルームの付加価値が、数年後のリセールバリューにどのように反映するのか。

キャンピングカー専門事業者が手掛ける、キャラバンやハイエースなどをベース車とした、いわゆるバンコン(バンコンバージョン)は、モノによってはかなり高いリセールバリューを維持している。

リセールバリューは端的に、市場での人気のバロメーターであるため、キャラバン マイルームについては未知数である。

もうひとつが、「使える場所」だ。日産のカタログを見ると、大自然の中で、自分の部屋が楽しめるというイメージを訴求している。

だが、実際にキャンピングカー、またはそれに近いカタチのクルマを長時間駐車して自然環境を楽しめる場所は、日本では限定的だと言わざるを得ない。

展示ブースには緑や木目が使われ、自然を想起させるが…(筆者撮影)
展示ブースには緑や木目が使われ、自然を想起させるが……(筆者撮影)

課題はあるが期待が持てる

例えば、道の駅は、あくまでも移動中の休憩所と国土交通省は位置付けており、ごく一部を除いて、道の駅での車中泊や、車外に椅子やテーブルなどを出してくつろぐことは認められていない。

高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)については、NEXCO東日本・中日本・西日本、および首都高速に対して車中泊に対する捉え方について、筆者が回答を求めたことがある。

回答は基本的にはNGであるが、そもそも長時間滞在における長時間の定義や、車中泊の定義がないため、実質的にはグレーゾーンになっているのが実情だ。

そうなると、私有地であるオートキャンピング場や、日本RV協会が全国各地で提携を進めている車中泊可能な駐車スペース「RVパーク」を利用することになる。

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キャラバン・マイルームの場合、車中泊が主体というよりも、景色が良い各地の駐車場などで休憩しながらの日帰りドライブや、宿泊はホテルや旅館の利用というのが現実的ではないだろうか。

キャラバン・マイルームの台数が本格的に増えていくのは、これからだ。また、今冬には「NV200 バネット MYROOM」も発売するという。

どんな人たちがオーナーになり、どのように使うのか。課題はあるが、期待の持てるクルマである。販売や利活用の実態について、今後もしっかり追っていきたい。

【写真】使い方の夢が広がる「キャラバン・マイルーム」をもう一度チェック!
桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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