明大と東大、井の頭線「2つの大学駅名」誕生秘話 開業当初は少々物騒な名前だった「明大前」
駒場キャンパスの場所には、明治から大正時代にかけては当時の東京帝国大学農学部が置かれており、昭和初期に文京区弥生にあった旧制高等学校の第一高等学校と敷地交換され、以降は一高のキャンパスとして知られたが、第2次世界大戦後の学制改革で東京大学教養学部となっている。
よって、井の頭線が開業したときは東駒場・西駒場だった駅名は、その後一高前・駒場となり、戦後一高前駅が東大前駅に改称した後、統合という経緯をたどっている。
島式1面2線のホームは地平にあり、東口は2階にある橋上駅舎だが、西口駅舎は駅の南側から続く窪地の線路下にあるので地下1階になる。
東大生以外も学生が多い
東口はさらに線路の南北に出入り口があり、北側は東大口と呼ばれている。改札を出て階段を降りていくと、目の前に一高時代に建造された正門と本館が迎えてくれる。ここは駒場Iキャンパスであり、駒場公園を挟んで西側に駒場Ⅱキャンパスもある。
これ以外に駅の周辺には、筑波大学附属駒場中学校・高等学校、東京都立国際高等学校、日本工業大学駒場高等学校などもあり、中学生や高校生の利用も多い。
それを示しているのが2023年度の1日平均の乗降人員で、3万4257人という数字は、井の頭線では明大前駅に匹敵する。そして同社広報部に聞いた、定期利用と定期外利用の比率は64.7:35.3で、前者がかなり多い。
「東京大学の試験日は受験生でホームが混雑するため、駅係員を増員してお客さま誘導とホーム監視による安全確保に努めている」(同社広報部)といい、こちらも受験シーズンには特別の対応を行なっている。
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