フランフランが「若年女性」人気を総取りするワケ アインHDによる買収を経て、再成長できるのか

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フランフランは主に1〜2人暮らしする女性がターゲットだ。自宅で好きなものに囲まれて、気分を上げられるような空間づくりを提案してきた。時代ごとに流行のデザインを取り入れながらも、こうしたコンセプトは一貫している。

クッションカバーの品数も多い。若年女性向けにこだわった商品が強みだ(記者撮影)

これは、ニトリなどの大手が手がけるような、1人暮らしからファミリーまで全方位で展開する戦略とは異なる発想だろう。

佐野社長は「商品の循環がうまくできた結果、顧客層は変わらなかった。ブランドに共感する人材も入社してきてくれた」と振り返る。トレンドを予測し、商品を開発できる人材を多く抱えていることで、年月が経っても若い女性の支持を獲得できているわけだ。

異業種とタッグ、シナジー発揮はいつ?

今後、フランフランはアインHDの美容・化粧品店「アインズ&トルぺ」と隣接した共同出店を加速する。両方とも若年女性が主要客で、集客効果が見込める。長期的には新業態の開発も視野に協業を進める考えだ。

フランフランは他社との協業の経験もある。かつての大株主、セブン&アイHDとは、2015年からイトーヨーカドー内に「BON BON HOME(ボンボンホーム)」という西海岸をテーマにしたインテリアショップを展開していた。セブン&アイHDからは主に店舗運営のノウハウを学んだが、シナジーは限定的だった。

また、足元のフランフランは利益面の改善が課題の一つとなっている。2021年8月期は売上高361億円、営業利益40億円だったが、2022年度は売上高372億円、営業利益34億円。2023年度は売上高394億円、営業利益25億円と減益基調だ。これは主に円安による仕入れ値の上昇と、出店による先行費用が影響している。

フランフランの独自性や強みを保ちながらも、異業種のアインHDと協力し、再び成長路線を描けるのか。シナジー発現が最大の焦点になる。

井上 沙耶 東洋経済 記者

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いのうえ さや / Saya Inoue

自動車業界を担当後、現在は専門店やアパレルなど小売業界を担当。大学時代は写真部に所属。趣味は漫画を読むこと、映画のサントラを聴くこと。

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