フランフランが「若年女性」人気を総取りするワケ アインHDによる買収を経て、再成長できるのか

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定番商品だけでなく、飽きさせないような施策も打つ。売り場の鮮度を高めるため、月ごとに投入する新商品とは別に、春夏と秋冬の年に2回、一歩先のトレンドを打ち出す商品をコレクションとして発売する。

今年の秋冬はヨーロッパの田舎の家のイメージで、紫などパステルカラーを用いたデザインがテーマだ。キルトやタータンチェック柄のクッションや花の刺繍がデザインされた食器などの雑貨を展開している。

「その時に買ってもらえなくても『いつかこんなかわいい部屋に住んでみたい』と女性が憧れるような空間と商品で魅せていく」(佐野社長)。

今年の秋冬コレクションの一例。懐かしさを感じるような色使いが特徴だ(記者撮影)

このように、フランフランが重視してきたのがオリジナル商品の開発だ。家具の開発から始めて徐々に雑貨に広げ、現在は全体の9割以上を占める。中にはロングセラー商品も出ている。

夏の定番品となった小型扇風機はその最たる例だ。2018年に発売して以来、静音性など機能面の改良を重ねてきた。今夏は2種類の扇風機でビビッドなオレンジやグリーンなどを含め、16色も展開。自分の服や持ち物と合う色を見つけられることが強みになっている。

ブランドを守ってきた歴史

フランフランは家具メーカーの子会社から始まった。1992年に1号店を天王洲アイルに開店。「バルス」の社名で上場していたが、2012年には海外展開を視野にMBO(経営陣による買収)を実施。翌年に小売り大手のセブン&アイ・ホールディングス(HD)と資本業務提携した。

2016年にはフランフラン以外のブランドを終了し、フランフランに専念、翌年には社名もフランフランとした。また、創業者の髙島郁夫氏が2021年に退任すると、その後は投資ファンドの日本成長投資アライアンスが筆頭株主として今年8月まで経営を支援していた。

フランフランは大株主や経営体制が変わり続けても、ブランドのコンセプトを守り、若い女性から厚い支持を集めてきた歴史がある。

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