中国の金融緩和は、なぜ不発に終わったのか そして忍び寄る深刻な「債務デフレ」
年明けからバブル的に上昇してきた中国の株価は完全に振り出しに戻った。上海総合指数は8月24日、25日と2日連続で大幅に下落し、2014年12月以来の3000ポイント割れとなった。
中国メディアは8月25日、証券大手である、中信証券の徐剛総経理(社長)が公安当局の取り調べを受けていると報じた。違法取引がらみとされているが、具体的な内容は明らかではない。
有力経済誌『財経』の記者もこの日に連行された。この記者が7月20日に報じた「当局が株価下支え策の縮小を検討中」という趣旨の記事が問題視されたもよう。とにかくスケープゴートを作ろうとしている印象だ。
中央銀行が即座に利下げ発表
一方、同日夜に中国人民銀行(中央銀行)は、追加金融緩和策を発表。政策金利は26日から0.25ポイント引き下げられて4.6%とされた。銀行に義務づけられている預金準備率についても、9月6日から0.5ポイント引き下げられることになった。
メディアに強権をちらつかせて服従を迫りながら、切り札である金融緩和を素早く実行。が、翌26日の上海総合指数は1.3%安の2927ポイントとなり、その後も当局の思うようには戻っていない。
6月以降の大幅な株価下落局面で、当局は買い支えのために大手証券会社を動員し、警察が「悪意あるカラ売り」を取り締まるなど、さまざまな手立てを講じて大台とされる4000ポイント台に回復させた。
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