政府は本格的除染開始を、一段の遅れは許されない

政府は本格的除染開始を、一段の遅れは許されない

福島県の山間部には、すでに初雪が降った。福島駅の西方に眺めることができる一切経山(いっさいきょうさん)も頂上からしだいに雪景色が広がりつつある。東北の被災地には、厳しい冬の足音が近づいている。

11月20日、そんな福島県で県議会議員選挙が行われた。東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故で延期されていたもの。今後の“フクシマ”のあり方を占う重要な選挙として、広く注目されていた。しかしこの日、注視されていたのは県議会議員選だけではない。

同県浜通りの第一原発に隣接し、現在、全住民が避難生活を送っている双葉郡大熊町の町長選も大きな注目を集めていた。「村への帰還」を訴える現職町長と、「集団移住を検討すべき」と主張する新人との一騎打ちとなっていたからだ。

真っ向から対立する両陣営による戦いは、今後の大熊町のあり方を決める。また、原発事故による避難措置という同じ状況に置かれている福島県内のほかの自治体の住民にとってもひとごとではなかった。結局、多数の村民が選択したのは「村への帰還」だった。

避難住民は帰還を希望

阿武隈山系の一端にある標高600メートル前後の飯舘村の村民の関心も、並々ではなかった。

同村は、第一原発から40キロメートル離れているにもかかわらず、観測される放射線量の高さから、村の全域が計画的避難区域に指定され、6000名強の村民がすべて村外への避難を余儀なくされた。高原の村もすでに初雪を経験している。

全村民が避難した後、もぬけの殻になった村の治安を守るために、400名の村民で結成したパトロール組織「見守り隊」も防寒服の用意など厳冬期の対応を急いでいる。

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