"斜面の魔術師"作った「集合住宅」の衰えない人気 里山に溶け込む住宅、緑が豊かな部屋の内部

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ゆりが丘ヴィレッジのある川崎市や隣の横浜市は多摩丘陵に位置し、傾斜地の多い街だ。丘や高台を見ると、斜面に家がぎっしり並んでいる。

ゆりが丘ヴィレッジのほかにも、斜面に建つ印象的な集合住宅は存在する。そのうちの1つが、川崎市高津区久末の斜面にある「ヒルサイド久末」だ。

井出敦史さんは、ヒルサイド久末に暮らす1人。もう暮らして10年以上になる。

東急田園都市線の鷺沼駅からバスに揺られて約20分。バス停を降りて丘に向かうと、森のような場所がある。樹木が生い茂る中に「ヒルサイド久末」は建っていた。筆者が歩いたときは、雨上がりで緑がみずみずしく、セミの声が鳴り響いていた。

「景色の見え方が365日異なり、同じ景色は1日もありません。外の緑が迫ってくる感覚を味わえるのは、斜面の住宅だからだと思います」

緑豊かな部屋の内部

ヒルサイド久末は、3つの住居棟にわかれ、総戸数65戸。斜面に建てられているからこそ、住む階によってその景色は異なる。

ヒルサイド久末 斜面住宅
住棟は段々畑のように段状に連なる。屋根は防水性の高い切妻屋根(写真:サムデザイン提供)

高い階からの眺望は良く、下の階は緑に包まれ、まるで森の中にいるような気分を味わえる。どの階にもそれぞれのよさがあるのだ。

部屋の内部も広く、112〜144平米ほど。奥行きのあるバルコニーもある。

ヒルサイド久末 斜面住宅
ヒルサイド久末の竣工時の間取り。広くゆったりとられた間取りで、暮らしをのびのび楽しめる(図:サムデザイン提供・パンフレットから引用)
ヒルサイド久末 斜面住宅
ヒルサイド久末の一室。大きな窓に植栽が見える(写真:サムデザイン提供)
ヒルサイド久末 斜面住宅
ヒルサイド久末のバルコニー。奥行きがあり第2のバルコニーとして気ままに過ごせそうだ(写真:サムデザイン提供)
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