グリーのDeNA提訴、ソーシャルゲーム勝ち組バトルに焦りの影

ただ、別のゲーム会社はグリーと違う見方をする。「排除措置命令以降、DeNAはきっちりやっている。戦略上どちらを選ぶか迫るという点では、グリーもまったくやっていないとはいえないはず」と、今回の訴訟提起に疑問を呈する。

オープン化が奏功しDeNAもグリーも業績が急成長した一方、人気ゲームの奪い合いが激化。いずれ訴訟が起きてもおかしくない一触即発の状態だったことは否めない。

市場拡大が続けば、お互いに利益享受できる。が、足元では踊り場を迎えつつある。

ソーシャルゲームの国内会員数はDeNAのモバゲーが約3200万人、グリーが約2800万人と飽和感が見え始めている。実際、DeNAの2011年9月中間決算は売上高、純利益とも過去最高を更新したが、四半期の推移で見ると、売上高は横ばい、純利益は減少に転じるなど成長スピードが鈍化。グリーは同決算で好業績を維持したが、DeNAと同じ事業構造だけに、会員数が増えてくれば、今後は不透明だ。

こうした中、両社は海外展開に活路を求めるがハードルは高い。ユーザー数がケタ違いのフェイスブックなどがゲームをオープン化しており、「国内以上に競争環境は厳しい」と複数の業界関係者は見る。また国内もスマートフォンの普及で、グリーやDeNAを介さず、アップルやグーグルのアプリ市場にゲーム提供しやすくなるなど逆風だ。

今後、両社の争いは裁判に委ねられる。が、足の引っ張り合いに終始すれば、将来迎える真の競争に取り残されかねない。

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(二階堂遼馬 撮影:鈴木紳平 =週刊東洋経済2011年12月3日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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