今回は、そんなMDXの中でも、もっともスポーティな「タイプS」に試乗する機会を得た。ほかのグレードが3.5L V6自然吸気を搭載するのに対して、タイプSは3.0L V6ターボを搭載。最高出力は前者が290hp(約294ps)、後者が355hp(約360ps)と圧倒的な差がつけられている。トランスミッションは、いずれも10速ATだ。
乗って真っ先に感じたのは、見た目のイメージと相通じるソリッドで引き締まった乗り味。車両重量は4788ポンド(約2171kg)に達するが、そんなことを一切感じさせないほどエンジンはトルクフルで、欲しい加速感を瞬時に導き出してくれる。
タイプSには、オートレベリング機能付きのアダプティブエアサスペンションが標準装備されており、速度域や路面の状態を問わず、つねにフラットな姿勢をキープ。路面追従性が極めて高いので、はじめて乗ったドライバーでも自信を持って運転できるところが頼もしい。フロントブレーキもブレンボ製の4ポットキャリパーとφ363mmの大径ディスクで強化されているため、減速感やブレーキタッチに不足を感じることも一切なかった。
さまざまな乗り味が楽しめるモード設定
そして、おもしろいのはドライビングモードをNORMAL、SPORT、COMFORT、SNOW、INDIVIDUAL、LIFTなどから任意に変更できるIDS(インテグレーテッド・ダイナミクス・システム)の制御による「変わり幅」が大きいところ。オンロードでは主にNORMAL、SPORT、COMFORTを切り替えて使うことが多いが、各モードで如実にキャラクターが変わるため、走る状況や気分に応じて積極的にモード変更を楽しみたくなる。
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