女子アナ「体臭批判で炎上」よりキツイ最大の痛恨 超人気番組に出演も、炎上を追い風にできず…
いわゆる「やらかしてしまった人」を、突き放したり、切り捨てたりするのは簡単だ。しかし、その道を選ばず、言葉の力で包み込み、ウワサを否定することにより、新たに信用を築き直す上での障壁を取り払う。温情あふれる対応に思えた。
本人にとっても、プラスの後押しになったようだ。川口さんは8月17日、経済系YouTubeチャンネル「ReHacQ(リハック)」に出演。VOICEの追加声明で「関係性は良好だった」と明言され、「名誉毀損」の表現が変更されたことにより、気持ちが落ち着いたと明かした。
炎上後初のメディア露出、ネットユーザーの反応は…
ReHacQは「日経テレ東大学」などを手がけた、元テレビ東京の映像ディレクター・高橋弘樹氏による人気チャンネルで、この日は高橋氏と川口さんの対談として、「メディア初登場!ビジネスパーソンのための匂いケア講座」と題した生配信が行われていた。
番組内の発言によると、大手出版社やテレビ局からのオファーがあったものの、知人の後押しもあり、ReHacQへの出演を優先したという。今後は「アナウンサーの肩書を使うのはやめようと思う」として、タレントや配信者、インフルエンサーに転向して活動する可能性にも触れた。
「炎上後初となるメディア露出」とあって、話題性は高いと思われるが、残念ながらネットユーザーの受け止めは、あまり芳しくない。その背景には、「フリーアナウンサーの川口ゆりさん」としての姿よりも、「体臭発言で炎上してしまったフリーアナウンサー」としての姿を、無意識のうちに視聴者が求めていたからだろう。
約1時間にわたる対談を見て、筆者が感じたのは「世間のニーズがどこにあるか」だ。テレビであれば番組スタッフや視聴者、出版物であれば編集者や読者が、なにを求めているかによって、今後の立ち位置も、振る舞いも変わってくる。
ニーズに対応して、コンテンツを届けるのが、ほとんどのメディアの役割だ。今回の件については、川口さん自身についてよりも、発言の方に各社がニュースバリューを見いだして、一斉にオファーをかけたはずだ。
しかし、川口さんの発言を見る限り、制作側の真意は、残念ながらあまり伝わっていない気がした。この配信は、言い方は悪いかもしれないが、「出落ち」的なネタ企画だろう。また、バラエティ番組である以上、出る側は「終始殊勝に振る舞う」か「火に油を注ぎに行くか」の2択の、どちらかを求められてしまう。炎上ですら消費しようとするバラエティ的な姿勢の是非はさておき、そういった背景を踏まえたうえで、出演を決めるのが好ましいだろうが、配信を見る限り、川口さんはどちらでもないスタンスに感じられた。
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