大王製紙にはびこる創業家一族の絶対支配、望めぬ大胆な経営改革

煮え切らない経営陣

が、井川家との決別は容易ではない。連結子会社35社のうち大王製紙が株式の過半数を握るのは3社のみ。23社の出資比率は2割にも届かず、過半は井川父子やファミリー企業が握っているとされる。古くから同社を知る関係者の一人は「井川家が手を引いたらあの会社は回らなくなる」と話す。

実際、報告書発表後の会見の席で佐光正義社長は「井川家に頼らなければやっていけない会社にはしない」と話す一方、「井川家を排除する気はまったくない」「高雄氏への尊敬の念は消えるものではない」とも言い切った。

クモの巣を張り巡らしたような井川一族の資本。増資などで希薄化していくにしても、そうとうな時間を要すのは確か。大胆な改革は望めそうにない。

大王製紙の業績予想、会社概要はこちら

[+画面クリックで詳細チャートを表示 <会員登録(無料)が必要です>]


(山本隆行 =週刊東洋経済2011年11月12日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 若者のための経済学
  • 本当に強い大学
トレンドライブラリーAD
人気の動画
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
やる気を削がれる人と奮起する人の決定的な差
やる気を削がれる人と奮起する人の決定的な差
「名岐アパレル」で連鎖倒産、産地の厳しい現実
「名岐アパレル」で連鎖倒産、産地の厳しい現実
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
サプライズと配当成長株で勝つ<br>株の道場 成長先取り編

菅首相の退陣決定を受け、東証株価指数が31年ぶりの高値へ急騰。日経平均株価も3万円を超えました。本特集では9月17日発売の『会社四季報』秋号を先取りし、上方修正期待の大きいサプライズ銘柄を抽出。株価上昇を享受する方法を会得しましょう。

東洋経済education×ICT