大王製紙にはびこる創業家一族の絶対支配、望めぬ大胆な経営改革
煮え切らない経営陣
が、井川家との決別は容易ではない。連結子会社35社のうち大王製紙が株式の過半数を握るのは3社のみ。23社の出資比率は2割にも届かず、過半は井川父子やファミリー企業が握っているとされる。古くから同社を知る関係者の一人は「井川家が手を引いたらあの会社は回らなくなる」と話す。
実際、報告書発表後の会見の席で佐光正義社長は「井川家に頼らなければやっていけない会社にはしない」と話す一方、「井川家を排除する気はまったくない」「高雄氏への尊敬の念は消えるものではない」とも言い切った。
クモの巣を張り巡らしたような井川一族の資本。増資などで希薄化していくにしても、そうとうな時間を要すのは確か。大胆な改革は望めそうにない。
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(山本隆行 =週刊東洋経済2011年11月12日号)
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