パナソニックにすべてを結集して世界で勝つ

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パナソニックにすべてを結集して世界で勝つ

創業90年目で「松下」の名前を捨て、グローバルブランドの「パナソニック」へ社名変更。決断した大坪文雄社長の真の狙いはどこにあるのか。
(週刊東洋経済2月2日号より)

--今回のブランド統一と社名変更の源流は、どのあたりにあるのでしょう。中村邦夫前社長時代から引き継いだものなんですか?

 中村さんは海外のブランドをパナソニックに統一されたわけだから、おそらく、国内のナショナルというブランド、社名についても頭の中にはあったんじゃないかと思います。ただし、社長交代に当たって、今回の件に関する指示や引き継ぎは一切なかった。

--大坪さんが社名変更の必要性を強く感じたのはいつですか。

 松下電器で5年、10年なり働いて、いろんな職場を経験した人間なら、わかりにくいなというのは、みんな感じるんじゃないか。松下電器、パナソニック、ナショナルという三つの名前があって、これでいいのかなと。

 私としては、やはり(昨年春から始まった3カ年計画の)GP3計画、グローバル成長戦略がいちばんの理由です。松下は創業者が起こした日本の企業、製造業として、新しい技術、新しい商品、新しい事業を生み出して、お客さんに提供していきたい。それをもっとグローバルに、全世界に広げるんだということで、GP3計画を作り、その中で売上高10兆円、ROE(株主資本利益率)10%という目標数値を掲げた。自分としては手応えを感じているんですが、本当にこれを達成しようとすれば、もっとグローバルということに全社の意識を向ける必要がある。もっと全社員の力を、グループの力を一つに結集する必要がある。それが、社名とブランドの一体化に行き着くわけです。

--結集の象徴?

 そうです。世界中の全社員の日々の仕事、日々の努力、日々の成果、そういったものが一つのパナソニックというブランドに結集していく。

--単なるブランド戦略ではなく、グループ、社内を一つにすることが今回の目的なのですね。

 そうです。グローバルであり、中の従業員を一つにする。
 
--逆に言えば、なぜ今まで社名変更できなかったのでしょうか。
 
 経営にはその時々の重要課題があって、そのプライオリティの問題でしょう。じゃあ、なぜ今なのか。グローバル・エクセレント・カンパニーになるため、世界での競争に立ち向かっていくためです。世界で勝つには、全従業員の力を一秒たりとも、一滴たりとも無駄にはできない。すべてを成長に向けて結集していく。

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