天安門事件をキッカケに、中国共産党は怖くないと確信した--蔡衍明・旺旺集団董事長

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 --しかし、一般的に台湾人は中国共産党に良い印象をもっていません。

両岸はもともと国民党と共産党がけんかをしていた。理屈から言うと、台湾人は関係がないはずだ。しかし、国民党は以前、台湾人に共産党を恨むよう教えていた。「反攻大陸」だとか、「同胞を救おう」だとか。それによって、台湾人の方が深く中国を恨むようになってしまっている。

私が受けた教育では、共産党がやってきたら、「血で台湾を洗う」ことになる。私の家は裕福な方で、兄や姉は海外に送られた。もし台湾が共産党に占領されたら、海外からお金を送ってきてくれるというわけだ。当時の教育は台湾にいて死を待つか、そうでなければ戦うか、だった。

なぜ、今も台湾人と中国人の溝がこれほど深いのか。それはメディアにも責任がある。もともと恨みをもっていた人たちは、すでに握手をして解決している。本来、恨みのない台湾人たちが今、毎日共産党を批判しているのだ。台湾には2300万人いるが、1500万人は大陸に行ったことがない。行ったことがなければ、すべてをメディアに頼ることになる。大陸を妖怪のように見せる報道はよくないが、中国自身も度量が小さすぎる。大陸が台湾に対して悪意がないのなら、なぜ公明正大に自分たちがどうしたいのか言わないのか。

今では日本人も共産党を怖がっているが、今後は大陸の経済力にみんなが頼っていくことになる。日本も現在、大陸が必要となっているし、台湾はいうまでもない。遠く離れているシンガポールもそうだ。この経済体はあまりに巨大だ。大陸は両手を広げて日本を歓迎し、みんな一緒に仲良くしようと言うべきだ。

ただ、私自身は1989年6月4日に起きた天安門事件以降、すでに共産党が怖くなくなった。だからこそいち早く中国進出の準備をしていた。

--なぜ天安門事件で共産党が怖くなくなったのですか。

あの時、世界中の記者が少なくとも3000人、北京にいた。しかし、公開されたショッキングな写真は数枚だけ。100万人もの民衆を鎮圧するのに、死者が数人だけだったのも、非常に少ないと言える。

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