ドコモ、「9四半期ぶり増収増益」も喜べぬワケ 本当に減益基調に歯止めはかかったのか
「通期計画に対して順調に進捗している」。9四半期ぶりの増収増益に、加藤薰社長は終始、ほっとした表情を浮かべていた。
NTTドコモは7月29日、2015年度第1四半期(4~6月期)決算を発表した。売上高に相当する営業収益は前年同期比0.1%増の1兆0768億円、本業の儲けを示す営業利益は同12.3%増の2353億円だった。
契約純増数は同2倍の94万件と大幅に伸長。スマートフォン販売台数も328万台(同306万台)、タブレットも店頭でスマホと合わせた提案を進めたことで45万台(同29万台)と伸ばしている。
端末料金の割引サービス「月々サポート」による収益のマイナス幅は、前期の458億円から226億円に縮小し、ネットワーク設備を中心にコスト削減も進んだ。通期計画に対する営業利益の進捗率は34.6%と、2008年度以来の高い水準だ。
注意すべき3つのポイント
このように格好のスタートを切ったように見えるドコモだが、その裏には注意すべき、いくつかのポイントがある。
まず、昨年は3月の年度末商戦で通信大手各社がキャシュバック合戦を繰り広げ、販売を大きく伸ばしたが、その反動から4~6月の販売数は前年同期比で23.7万台の減少と落ち込んだ。今年度の第1四半期はそうした特殊要因がなく、1年前と比較するうえでのハードルは低かった。
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