我々は「Windows10」とどう向き合うべきか

「最後のメジャーリリース」のインパクト

筆者の手元には、「Windows 8.1 with Bing」を搭載したASUS製ネットブック「EeeBook X205」がある。Windowsでしかできない金融機関の処理やセキュリティ認証のために手に入れたが、思いのほか動作が軽快で、本体も非常に軽いため、家の中のサブノートとして活躍している。

1366×768ピクセルのディスプレイ、1.3GHzで駆動するIntel Atomプロセッサ、64GBのeMMCを搭載し、パソコンとして充分な性能を発揮してくれる。最大の魅力はその価格。ポイント還元を含めず、3万円程度で手に入れることができるパソコンだ。

このパソコンに搭載されているWindows 8.1 with Bingは、Windows 10への無償アップグレードに対応しているバージョンであるため、早速アップグレードの予約をしておいた。

Windows 10は、カーネルから書き換えられた新バージョンではあるが、Windows 7で必要なマシンスペックを満たしていれば、そのまま動作するよう作られている。

そのため、長年にわたってみられたユーザー行動である「コストがかかる、あるいはパソコンを買い換えたくないからWindowsをアップデートしない」という選択を減らすことができる。

また、今後、Windowsのメジャーバージョンアップという考え方をやめ、最新のOSが随時無償でアップデートされていく方式に変わった。そのため、今回のバージョンアップの対象になっていれば、今後そのマシンでは追加でライセンスを購入しなくても、最新のWindowsを利用できるようになる。

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 「Windows 10」(英語バージョン)

パソコン特有の機能や周辺機器、利用しているアプリケーションのすべてが、初日からWindows 10に対応するとはかぎらない。無償バージョンアップは1年間有効であることから、じっくり構えておいてもよいだろう。

ただ、期間内のバージョンアップは行っておいたほうがよいと考えられる。

その理由は、Windows 8.1以前には対応しない、Windows Storeで配布されるユニバーサルWindowsアプリの存在だ。今後、アプリの配信はWindows Storeを介して行われるが、Windows 10でなければアプリが利用できない場面が増えてくると予測できるからだ。

OSのビジネスの変化

マイクロソフトは、WindowsやOfficeなどのメジャーバージョンアップによって、大きなビジネスを作り上げてきた。マイクロソフト自身もパッケージ販売やライセンス販売などが伸びるが、パソコンメーカーにとってもビジネスチャンスであった。

しかし、今回はビジネスライセンスや教育ライセンスではない、一般ユーザーの多くに無償で最新のWindows 10が配布される。Windows 7以上が動作するパソコンと同じシステム要件であることから、現在のパソコンの動作に不満がなければWindows 10も同じマシンで利用できそうだ。

ソフトウエアメーカーがOSを無償でアップデートすることは、OSそのもののビジネスに対する変化と感じ取ってもいいかもしれない。OSを無償で提供しているのは、Androidを擁するGoogle、そしてiOSとOS Xを無償化したAppleの2社だ。

これらの企業はそれぞれ、広告、デバイス販売というソフトウエア外のビジネスモデルで成長を続けているが、共通点はアプリストアを充実させている点だ。

マイクロソフトは、「Windows Store」と呼ばれるアプリストアを用意してきたが、Windows 10ではこのアプリストアの重要性を高め、ビジネスの軸とし、Windowsプラットホームの将来を切り開く要素にしようとしているようだ。

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