石破茂氏、国民人気抜群も広がり欠く党内支持 「ポスト岸田」総裁選出馬となれば挑戦5度目
そうした中、岸田首相抜きの総裁選となれば、茂木敏充幹事長の出馬が確実視される。旧茂木派と麻生太郎副総裁が領袖の麻生派による「数の力」でポスト岸田の最有力候補に躍り出る可能性があるからだ。すでに茂木氏は、アメリカ大統領選でのトランプ前大統領勝利を視野に、「私はかつてトランプ大統領から『茂木はタフだ』と言われたこともある」と外相時代の実績を踏まえて「トランプと渡り合える首相」をアピールしている。
“コバホーク”急浮上など、「石破首相」には多くの障害も
その一方で、若手・中堅議員の間では、ここにきて「コバホーク」との名前にちなんだ愛称が定着しつつある小林鷹之・前経済安保相の出馬への期待も高まっている。「国民からみれば、小泉氏ですら『昔の人』で、本当に自民党が変わったと評価されるためには、小林氏しかいない」(無派閥若手)という分析からだ。
もちろん、党内保守派の代表格として、高市早苗・経済安保相も出馬の意欲を隠さない。さらに河野デジタル相も、所属する麻生派領袖の麻生氏に出馬の意思を伝えたとされる。しかも、候補乱立の総裁選となった場合に、「これまで集票の主体となってきた旧派閥が、どこまでその力を維持しているかはやってみないと分からない」(自民長老)との見方が支配的だ。
石破氏はそうした状況も踏まえ、テレビ出演などで自らへの国民的人気の高さを「単なる知名度調査の結果」と位置づけ、「自民党総裁選で問われるべきは、知名度ではなく首相として何をやるのか、やるべきなのかという点だ」と繰り返す。ただ、「石破氏のこれまでの主義主張をみると、そのこと自体が石破首相誕生への大きな障害ともなりかねない」(同)との指摘も少なくない。
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