石破茂氏、国民人気抜群も広がり欠く党内支持 「ポスト岸田」総裁選出馬となれば挑戦5度目

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そうした中、岸田首相抜きの総裁選となれば、茂木敏充幹事長の出馬が確実視される。旧茂木派と麻生太郎副総裁が領袖の麻生派による「数の力」でポスト岸田の最有力候補に躍り出る可能性があるからだ。すでに茂木氏は、アメリカ大統領選でのトランプ前大統領勝利を視野に、「私はかつてトランプ大統領から『茂木はタフだ』と言われたこともある」と外相時代の実績を踏まえて「トランプと渡り合える首相」をアピールしている。

“コバホーク”急浮上など、「石破首相」には多くの障害も

その一方で、若手・中堅議員の間では、ここにきて「コバホーク」との名前にちなんだ愛称が定着しつつある小林鷹之・前経済安保相の出馬への期待も高まっている。「国民からみれば、小泉氏ですら『昔の人』で、本当に自民党が変わったと評価されるためには、小林氏しかいない」(無派閥若手)という分析からだ。

もちろん、党内保守派の代表格として、高市早苗・経済安保相も出馬の意欲を隠さない。さらに河野デジタル相も、所属する麻生派領袖の麻生氏に出馬の意思を伝えたとされる。しかも、候補乱立の総裁選となった場合に、「これまで集票の主体となってきた旧派閥が、どこまでその力を維持しているかはやってみないと分からない」(自民長老)との見方が支配的だ。

石破氏はそうした状況も踏まえ、テレビ出演などで自らへの国民的人気の高さを「単なる知名度調査の結果」と位置づけ、「自民党総裁選で問われるべきは、知名度ではなく首相として何をやるのか、やるべきなのかという点だ」と繰り返す。ただ、「石破氏のこれまでの主義主張をみると、そのこと自体が石破首相誕生への大きな障害ともなりかねない」(同)との指摘も少なくない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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