石破茂氏、国民人気抜群も広がり欠く党内支持 「ポスト岸田」総裁選出馬となれば挑戦5度目

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そこで問題となるのが、第2次安倍政権から岸田政権にまで続く「説明責任を果たさない政治」を厳しく批判し続けてきた石破氏の、今後の政治的立ち位置だ。ここにきて、石破氏自身も周囲に「安倍政権以降の総括と、それを継続するか否かが最大の争点だ」と語っているとされる。

石破氏周辺によると、前回の2021年総裁選で岸田氏から支援を求められた際、①アベノミクスの検証②憲法9条2項を維持したまま自衛隊の存在を明記する憲法改正案の見直し③森友学園問題の再検証――を提示したが岸田氏が応じなかったため、河野太郎氏の支援に回ったとされる。

岸田氏不出馬なら、菅、二階両氏が「見限る」可能性も

それだけに、今回総裁選ではこの「石破提言」の可否も問われることになる。そこで問題となるのが、無党派議員にかなりの影響力を持つ菅義偉前首相や、依然として旧二階派を仕切る二階俊博元幹事長への「政治的接近」(自民長老)だ。菅氏は官房長官、二階氏は幹事長として安倍晋三政権を支えてきただけに、石破氏側近からは「旧来の派閥政治に頼らず、孤立無援でも1人で立つべきだ」との声が出る。

しかも、8月下旬に岸田首相が再選断念を決断した場合、総裁選の構図は一変する。「反岸田勢力」の結集軸となってきた菅、二階両氏やその周辺議員は「簡単に石破氏を見限る可能性が少なくない」(自民長老)からだ。ここにきて、菅氏周辺でも「議員歴の長い石破氏より、40代の小泉進次郎元環境相ら若手を推すべきだ」(無派閥閣僚経験者)との世代交代論が勢いを増す。

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