石破茂氏、国民人気抜群も広がり欠く党内支持 「ポスト岸田」総裁選出馬となれば挑戦5度目

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そうした中、NHKの報道によると、石破氏は7月27日の地元・鳥取県での講演で「鳥取から新しい日本を作れるよう残った議員生活をかけたい」と述べ、事実上の総裁選出馬宣言に踏み切った。そのうえで石破氏は「長い間支えてもらったおかげできょうの私がある。申し上げるとすれば鳥取で申し上げる」として、地元で正式出馬表明することも約束した。

その後、石破氏は記者団に対し「40年近く順風満帆でもない政治人生を支えてくださった方々の思いに応えることは政治家の義務だが、なぜ立候補するのかをきちんと整理して言わなければ、それは正式な立候補表明にはならない」とも語り、正式な出馬表明時には“政権構想”も明らかにする考えを示した。

石破氏が繰り返す「『勇気と真心をもって真実を語る』政治」は、石破氏が田中角栄元首相(故人)とともに「政治の師」と仰ぐ渡辺美智雄元副総理(同)が繰り返した言葉。「あと一歩のところで総理・総裁の座に届かなかった渡辺氏の“遺志”を継ぐ決意をアピールする狙い」(石破氏側近)からとみられている。

「地方票」で圧倒すれば「議員票では覆せない」?

総裁選で4連敗してきた石破氏にとって「今回はこれ以上ない好機」なのは間違いない。総裁選は、それぞれが同数でカウントされる、所属国会議員による「議員票」と全国の党員らによる「地方票」の合計で争われる仕組みだ。ただ、1年以内の衆参両院選挙が確実視される中、国民意識に近い地方党員らの多数から「石破首相」への期待が示された場合、「今回ばかりは、国会議員が永田町の論理で勝敗を覆すのは自殺行為」(政治ジャーナリスト)となりかねないのが実情だ。

自民の政権復帰前の2012年9月に実施された総裁選では、「地方票」で1位となった石破氏を、総裁再登板を目指した故安倍晋三元首相が決選投票で逆転した歴史がある。しかし、今回は石破氏を敵視してきた旧安倍派内でも「国民人気が1番の石破氏に入れたい」(若手)との声が少なくない。

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