日経傘下入りで気になる「FTの強み」の行方 孤高の勝ち組経済メディアの強みとは?

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一般紙であれば有料記事になるのであれば読まないという選択があるが、FTの場合、ほかでは読めない記事(経済、政治、解説、論考、コラム)があり、購読を選択せざるを得なくなるようにした。ここが経済・金融を専門とする新聞の大きな強みであろう。

ネット時代には様々な情報が入ってくるが、あふれる情報の波の中で、逆に「FTはどう解説しているか」が貴重になった。FTという名前=ブランド力=の強みだ。

データの取得については自前主義

電子版購読者増加のほかの理由として、「シンプルな課金までのプロセス作り」と「閲覧アプリの独自開発」があった。新聞記事を読むためにお金を払うことに対する心理的な壁は相当厚い。そこで、無料登録をしてもらったあと、有料購読契約に移るまでの導線をできる限りシンプルにしたという。

また、同社は、読者の属性分析を重視している。これまでの情報蓄積によって、どのような読者が有料購読者になりやすいのかがわかってきたという。そこで、無料登録をしたり、ニュースレターの購読を希望した人の中で、有料に乗り換える確率の高い人をめがけて販促を行っている。

「ディープ・ビュー」という報告ツールを使い、ある広告キャンペーンの効果を、ほかのキャンペーンと比べてどうだったか、時間帯の差による違いなどを分析し、こうした情報を広告主に伝える。グーグルも同様のサービスを行っているが、FTでは利用者が働く業界、会社の地位など細かい属性も含む情報を提供できる点が違いになっている。

編集レベルでも、どのような属性を持つ人が、どの記事をいつ読んだかをつかむことができるようになっている。そのため、読者の好みに応じてサイトの構成を変化させるなどの工夫ができる。

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