ヴィレヴァン300店巡って見えた「品揃えの失敗」 「遊べる本屋が魅力」を失った本質的な要因

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「現場の店員さんたちは、本当に頑張っていると思います。バイト店長から店長になろうと奮闘したり、本のPOPを必死で書いたり……。自分のアカウントも、ヴィレヴァンの他の店舗がどういうことをしているのか、そのデータベースみたいに使ってほしいなと思ってるんですよね。本当は勤務時間中に見てほしいんです。なかなかその時間はないかもしれませんが……本部には、現場の頑張りを見てほしいと思います。知らず知らずのうちに、地方にも文化を届ける役割を果たしている」(ヴィレ全さん)

(写真:ヴィレ全さん提供)

ヴィレヴァンへの「恩返し」は成功するのか

「繰り返しになりますが、現場の店員さんは本当に頑張っています。ただ、最低賃金で重労働、長く働くことができずに、辞めていった人が多いのもまた事実なんです」

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ヴィレ全さんが述べるのは、とても辛辣に見えるヴィレヴァンに対する評価。しかし、それもこれも、ヴィレ全さんがヴィレヴァンに育てられてきて、その「恩返し」をしたいと切に願っているからこそ。

実は、ヴィレヴァンの株主でもあるというヴィレ全さん。8月末の株主総会では、今回のインタビューで話したような疑問を、率直に幹部にぶつけるつもりだという。

ヴィレヴァンは、この「恩返し」を受け止めることができるのだろうか。

前編記事はこちら:ヴィレヴァン300店巡って見えた「人材育成の失敗」 POPを書けない、サブカルに疎い店員増加の背景

谷頭 和希 チェーンストア研究家・ライター

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

チェーンストア研究家・ライター。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

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