住宅ローンにも専門家が必要
――住宅ローンの貸し手と借り手を仲介する企業は、日本では見慣れませんね。
仲介企業は「モーゲージ・ブローカー」と呼ばれ、欧米では一般的なサービスだ。不動産会社は不動産だけを扱い、住宅ローンはモーゲージ・ブローカーがアレンジする。借り入れた後に金利が下がれば、モーゲージ・ブローカーが(利用者に)借り換えを働きかける。一般の人は金利動向に敏感ではないが、彼らが存在するおかげで効率的な借り入れができる。
一方、日本では不動産の営業員が住宅ローンもあっせんする。彼らは決してローンの専門家ではないし、住宅を販売した後は関係が切れてしまい、借り換えの支援もできていない。
私は外資系の金融機関で住宅ローンの証券化業務に携わっていた経緯から、アメリカの金融市場を見てきた。日本でもモーゲージ・ブローカーのようなサービスがあってもよいのでは、と感じたのが起業のきっかけだ。
――「モゲチェック」は、どういった仕組みで住宅ローンを提案しているのでしょうか。
まず、(年収や借り入れ希望額、年齢、勤続年数といった)個人情報から借り入れの可否をスクリーニングする。
こうした形式要件は各銀行が開示しているので、それを基に判断ができる。借り入れ可能とみなされたら、次は個人の信用力を調査して審査を通過する可能性を割り出す。われわれは貸金業免許を取得しているので、(他社からの借り入れの有無や延滞履歴といった)信用情報を照会できる。
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