華原朋美、新たな旅立ちで目指すものとは? デビュー20年、ここに辿り着いた
過去の自分に向き合った『はじまりのうたが聴こえる』
「ねぇ、はじまりのうたが聴こえる
あなたがいなくても 歩けるよ
やさしい記憶が 今微笑んで
旅立つことを 教えてくれた」
2015年5月20日、約9年ぶり、芸能活動再開後初のリリースとなった華原朋美さんのオリジナルシングル『はじまりのうたが聴こえる』には、こんなフレーズがある。作詞は華原さん本人。小室哲哉さんが作った曲を聴きながら、さまざまな感情を思い出し、書き留めていく中で生まれた歌詞だ。
「歌詞を作るにあたって、過去の自分にとことん向き合い、今まで体験してきたことを振り返りながら、たくさんの痛みやつらさ、幸せや喜びなどの感情を思い出していきました。そうしたら、どんな過去であっても最終的には『やさしい記憶』だけが残っていくんだな、という心境にたどり着けた。この4行のフレーズは、書くのにとても時間が掛かりましたが、こういう気持ちになれたことが、すごくうれしかったんです」
その一方で、『あなたがいなくても 歩けるよ』というフレーズは、自信がある人は絶対に口にしない言葉だと華原さんは続ける。
「『歩けるよ』とか『負けないよ』というのは、歩けなくなるかもしれない、負けちゃうかもしれないという不安を抱えている人が、あえて口にする言葉であるわけで。でも、それでも負けないぞ! と頑張る人って、とても人間らしい。この『はじまりのうたが聴こえる』という歌は、『強くなろう』と自分自身に言い聞かせている歌でもあるんです」
華原さん独特の透き通るような声と、心を震わせる歌唱力は健在。今回は聴く人が心地よく感じる音程を探るためにさまざまなキーを試し、歌詞が伝わるベストな高さを導き出すのにとても苦労したという。