デジタル庁「本人認証アプリ」が示す着実な進化 スマホ認証アプリで何がどう便利になるのか

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つまり、マイナンバーカードは本人性を立証するためのカードで、住民票関係の情報は地方自治体に、健康保険証関連の情報は厚生労働省にと、それぞれ別々に保管されている。必要最小限の情報を、別個に管理する仕組みなのだ。

今後、口座開設や転売防止などさまざまな場面で活用

今回、アプリとしてローンチされた「デジタル認証アプリ」は、スマートフォン側で、このマイナンバーカードの仕組みを使って本人であることを認証するアプリ。同様のものは従来でも作ることができたが、多大なコストと手間がかかった。今回、アプリ、そしてAPI(ソフトウェアを作る部品のようなもの)が公開されることで、多くの民間企業でも、マイナンバーカードによる認証を低コストで組み込むことができるようになった。

例えば銀行口座開設の際の認証も、従来だと免許証、住民票の2種類以上を送るとか、住所確認のために公共料金の領収書を送らなければならないなど、煩雑かつ何かと不安だが、「デジタル認証アプリ」とマイナンバーカードを使えば、簡単、確実に個人認証を行うことができる。

デジタル認証アプリ
「デジタル認証アプリ」利用の流れ(写真:デジタル庁提供)

銀行のウェブサービス、またはアプリで、口座開設の手続きをして、本人認証の部分で、「デジタル認証アプリ」に飛んで、暗証番号を入れて、マイナンバーカードをスマホにかざして(NFCで通信が行われる)、本人認証完了というわけだ。

簡単、確実な本人認証が可能になると、さまざまな可能性が広がる。

市役所などのサービスのログインや、銀行口座開設などはもちろんだが、ライブのチケットや、転売が予想されるような人気商品でも確実に「ひとり1枚」「ひとり1個」を実現できる。携帯電話をオンライン契約する際に活用すれば、携帯電話詐欺などの対策にもなるだろう。

マイナンバーカードの活用事例。今後、「デジタル認証アプリ」もこういった用途で利用されるようになっていくだろう(写真:デジタル庁提供)

本人性を重視するSNSや、本人を証明することが重要な婚活アプリなどでも活用されるかもしれない。

もし、この「デジタル認証アプリ」を使う機会があれば、その安心・安全な仕組みを体感してみていただきたい。

村上 タクタ 編集者・ライター

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むらかみ たくた / Takuta Murakami

iPhone、iPadなどアップル製品を中心に扱うガジェット・テクノロジー系編集者・ライター。カリフォルニアでのWWDCやiPhone発表会には2016年頃から継参加。趣味の雑誌の編集者として、’92年から約30年で約600冊の雑誌を作ってきた。バイク雑誌『ライダースクラブ』に携わり、ラジコン飛行機雑誌『RCエアワールド』、海水魚とサンゴ飼育の雑誌『コーラルフィッシュ』、デジタルガジェットのメディア『flick!』『ThunderVolt』の編集長を務める。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー。バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、庭での野菜作り、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。娘はロンドン、息子は台湾在住。

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