バイデン氏が大統領選を辞退したら何が起こるか トランプ氏に勝てる若い候補が出現する可能性も

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それはサンフランシスコ市を含むシリコンバレーで圧倒的に支持されているということです。ニューサム氏はコロナ禍に行った政策でリコール選挙が行われたことがありました。カリフォルニア州の北東部では反対票も多かったのですが、シリコンバレー中心に圧倒的な支持票が投じられたことでリコールは否決されました。

もしトランプ候補との決戦が行われるとしたら、その行方を左右するものはSNSになるでしょう。そのSNSの利用に関して言えば、全米で一番手慣れたひとたちがニューサム氏の支持者になるのです。

そして浮動票から共和党の穏健派まで、正直トランプ老人にも票を入れたくはないと考えるひとたちは少なくありません。ここが動けばまさかの新大統領誕生もありうる話だと思いませんか?

もしトランプ氏が選挙に負けたら

「もしトランプ氏が大統領に返り咲いたら」という意味の「もしトラ」では2025年以降の経済情勢について、石油回帰、中国との関係悪化、ウクライナからの撤退などバイデン政権の政策がことごとく覆る可能性が危惧されていました。

しかしもうひとつの「もしトラ」つまり「もしトランプ氏が選挙に負けてしまったら」が現実になるとしたら、脱炭素政策は2025年以降加速し、ウクライナには継続的な支援が続けられ、世界の分断にも一定の歯止めがかかるかもしれません。少なくとも世界は「これまでの予想よりはかなりましな未来」になるでしょう。

その結果、日本経済を取り巻く来年以降の前提条件についても「変わる」可能性が急に出てきたのです。そう考えるとやはり、イレギュラーな大統領討論会が行われた背景には、本当に何者かの政治的な意図があったのかもしれないと考えてしまいます。

鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表

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すずき たかひろ / Takahiro Suzuki

東京大学工学部物理工学科卒。ボストンコンサルティンググループ、ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)を経て2003年に独立。人材企業やIT企業の戦略コンサルティングの傍ら、経済評論家として活躍。人工知能が経済に与える影響についての論客としても知られる。著書に日本経済予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方』(PHP)、『仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』(講談社)、『戦略思考トレーニングシリーズ』(日経文庫)などがある。BS朝日『モノシリスト』準レギュラーなどテレビ出演も多い。オスカープロモーション所属。

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