トルコ政府が「中国製乗用車」に40%の追加関税 EVに加えて、エンジン車やHVにも対象を拡大

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トルコ政府はなぜ、中国製乗用車に対する追加関税の全面適用に踏み切ったのか。ロイター通信が報じたトルコ貿易省のコメントによれば、この措置は「トルコ国内の自動車生産の縮小を防ぎ、トルコの(国家としての)経常赤字を減らす」ためのものだという。

中国の自動車輸出の急拡大により、欧米以外の市場でも軋轢が生じている。写真は安徽省蕪湖市の港で積み込みを待つ奇瑞汽車製の輸出車両(同社ウェブサイトより)

ここ数年、中国からトルコへの自動車輸出が急増していたのは事実だ。中国海関総署(税関)の通関統計によれば、2023年に中国からトルコに輸出された完成車および自動車部品の総額は222億元(約4815億円)と、前年の2.24倍に増加した。

同年3月から中国製EVに追加関税を課した後も、エンジン車やHVの輸入が伸び続けたことに、トルコ政府は危機感を抱いたとみられる。

中国の投資を引き出す狙いも

自動車はトルコの基幹産業の1つであり、重要な輸出産業でもある。トルコの自動車産業は、伝統的に欧米の自動車メーカーとの関係が深い。欧米メーカーは(1996年に締結された)トルコとEUの関税同盟を活用し、トルコで生産した完成車を主にヨーロッパ市場に輸出してきた。

現地の業界団体のデータによれば、2023年にトルコからEUに輸出された自動車関連製品は総額239億2100万ドル(約3兆7653億円)に上り、トルコのEU向け輸出総額の7割近くを占めた。

「トルコ政府の追加関税の狙いは、自国の自動車産業を保護すると同時に、中国の自動車メーカーにトルコへの直接投資を促すことだ」

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

復旦大学中東研究センターの研究員を務める鄒(すう)志強氏は、財新記者の取材に対してそんな見方を示した。

中国メーカーのなかでは、すでに比亜迪(BYD)と奇瑞汽車が現地工場の建設についてトルコ政府と大詰めの交渉をしており、上海汽車集団や長城汽車も進出準備を進めているとされる。

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は6月15日

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