すき家の「ディストピア飯化」が密かに物議のワケ おっさん客がネットで激怒?も全然笑えない理由

拡大
縮小

「丼やお椀の提供ではないことは、そんなに大きなことなのか?」

そう思う人もいるだろう。実際に訪れてみたので、レポートしていきたい。

近未来的なゴミ箱が返却口

やってきたのは神保町店。すき家の中でも、かなりDX化や効率化が進められている店舗で、今回の調査をするのにうってつけだ。

すき家の外観
(筆者撮影)

まず、注文はカウンター横の自動券売機で行う。他の店でも券売機システムは一般的になってきた。

興味深いのが、すでに、券売機上の牛丼の写真が発泡スチロールの容器に入っていたこと。「テイクアウト用容器で提供しますよ」と、予告しているかのようである。

すき家の券売機
券売機の様子。「座ってから各席に設けられたタッチパネルを押す形式」ではなく、後ろに列ができて、やや焦りながら注文した(筆者撮影)
すき家の券売機その2
券売機の時点でプラや紙の容器だ(筆者撮影)

数分経たないうちに番号で呼び出され、レジまで料理を取りに行く。完全なセルフシステムである。店員さんはカウンターの外に出ることはない。

そして、問題のプラ容器がこちら。

すき家
この店舗では、プラ容器、紙コップなどでの提供となっていた(筆者撮影)

ネット上では「最近のすき家って店内でも持ち帰りの皿で食わせるのね……ここがディストピアか」といった声も見られたが、たしかに言われてみれば、近未来の食事、という感じを受けなくもない。トレイ以外はすべて使い捨てであり、極めて合理化された食事なのだ。

次ページ返却口という名のゴミ箱
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT