移民の割合が10%を超えると社会問題が顕在化 移民に寛容だった欧州の国も政策見直しへ

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ジャーナリストの櫻井よしこ氏(国家基本問題研究所理事長)は「総人口に対する移民の割合が10%を超えると社会問題が顕在化してくる。財政的にもそうだ。統合しようとしても共生しようとしてもうまく行かず、社会の分断、ヘイトスピーチ、犯罪などが増えてくる」と指摘。「日本は欧州の事例に学ぶべきだ。欧州は増えすぎる移民についてようやく現実を見始めた。優しい心で『(移民を)受け入れましょう』というのは簡単だが、受け入れたあとの結果が大変だという事例を示している。これからも移民、外国人労働者に対する(欧州の)政策は厳しくなる」と述べた。

番組コメンテーターの橋下徹氏(弁護士、元大阪府知事)は「(『多様性』『外国人との共生』など)政治問題について抽象的なスローガンや主張では現実問題は解決できない。大量の不法移民が入ってきて現実の問題が生じることに解決策を提示するのが右派も左派もなく政治家の役割だ」と強調した。

以下、番組での主なやりとり。

“不法移民”の「外部委託」各国でも

安宅晃樹キャスター(フジテレビアナウンサー):イギリスでは不法移民への対応が財政をかなり圧迫しているという。そこで7月ごろから(開始することを想定して)アフリカ東部のルワンダに不法移民を強制移送する計画を進めている。実際に準備が着々と進んでいる。ルワンダには外観も内装もきれいで、ベッドなどが完備されている移民用住宅が用意されている。

では、強制移送にかかるコストはどうか。不法移民を国内にとどめた場合、宿泊費なども含め1人あたり約1940万円のコストがかかるという。一方、いま計画されている強制移送のコストは一人あたり約3090万円で、移送のほうが1000万円ほど高くなる。なぜ高いコストをかけてまで強制移送するのか。移民・難民問題に詳しい上智大学の岡部みどり教授は「強制的な移送により不法入国を試みる人のモチベーションの抑止を狙っている。

いまのコストよりも中長期での効果を見ているのではないか」と指摘する。不法移民を強制移送し、他国へ委託する動きはイギリスだけのことではない。デンマークも同様に難民申請者を同じルワンダに移送することを考えている。イタリアは不法移民を一次的に収容する施設をアルバニアにイタリアが資金を出してつくり、イタリアに上陸させずにアルバニアに送る計画を検討している。ドイツも不法移民を収容する施設をEU域外に設置する検討をしている。このように他国に“外部委託”する流れが進んでいる。

(写真:FNNプライムオンライン)
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