もし、SNSが「ある/ない」時代に学生期を送ったら Z世代と非Z世代とでつくられた「Z社会」の構造

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良い振る舞いや悪い振る舞いがあったとしても、それはローカルに流れる情報として完結します。現実世界では「開かれたネットワーク」であることを意識することはほとんどないのです。

ところが、ソーシャルメディアでは同じようにはいきません。現実世界と同じように立ち振る舞っているときに、それが良くも悪くも誰かに見つかってしまう。ソーシャルメディアは世界に開かれているからです。ローカルへのアクセスというものが、ほぼコストゼロで達成されてしまいます。

その結果として、誰かに見つかり「炎上」してしまう。ローカルでは許されていた仲間内のノリが、ソーシャルメディアを介して見つかってしまうのです。われわれはこのような事例が何度も繰り返されてきたことを知っているはずです。インターネットによって良くも悪くも世界が見えるようになってしまったのです。

ソーシャルメディアが「ある/ない」学生期

インフルエンサーについても同じです。世界に開かれて世界とつながってしまった。インフルエンサーのようなものは、インターネット以前からありました。たとえば、ファンクラブに入会して、毎月会報が郵送されてくるようなこともあったでしょう。このとき、いわゆるアンチには見つかりにくいローカルな世界が構築されています。閉じたコミュニティで楽しくやっていたのが、ソーシャルメディアを介してコミュニケーションの場が開かれてしまうことによって、誰かに見つかる可能性が高まりました。それは新たなファンが見つかることでもあり、思いもしないアンチに見つかることにもつながるわけです。

いずれにしても、インターネットによって、自分の世界が拡がり、同時に自分の世界に介入してくる誰かが現れる機会が驚くほど増してしまいました。閉じられていたコミュニティが、開かれたネットワークに組み込まれてしまったのです。このように、ローカルの世界だけでなく、ソーシャルメディアの世界でも暮らしていかなければならないのです。

それが、「いま」の学生の世界です。

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