「心の病かも」精神科を受診するべき5つの兆候 家族は「患者からのシグナル」を見逃さないで
次に、家族は心が病んでいる人に「あなたが苦悩していることに気づいている」「家族として心配している」「力になりたいと思っている」ということを、伝えることが大切です。
大半の患者さんは、何か原因があって苦しんでいます。近所からの脅威に対して怯えていたり、学校でいじめを受けて苦しんでいたり、仕事で失敗したことで叱責を受けていたりします。恋人との破綻で悩んでいることもあります。家族は、何が原因で苦しんでいるのか理解しようとすることが大切です。
そこで、「悩みを聞かせてもらえないか」「協力できることはないか」と話しかけます。ただし、根掘り葉掘り聞きだすのは良くありません。
家族ができる範囲で、患者さんの症状を理解するように努めます。なお、家族には話したくないけど、信頼できる他人にだったら話せる方も多いので、その場合は家族以外の誰かに協力を仰いでもいいでしょう。
ここで留意してほしいことがあります。
・家族の温かな心と患者さんの病んだ心が触れ合うことで良い方向に向かいます。
・大切な家族であることを伝えます。仲間であることを伝えます。心の病の患者さんの味方であることを言葉で伝えます。心の病の患者さんを守り、支えます。
・頭ごなしに、心の病の患者さんの言動を否定しない、見下さないでください。
・放っておかないことが大切です。いつの間にか5年、10年経ってから相談される家族が多いのです。できるだけ受診が早いほど、悪化を防ぎ、回復も早いのです。
・家族は、患者さんが精神科を受診できるように、くり返し説得し続けてください。
病院での受診を拒まれたら、家族だけで抱え込まない
ただし、症状が重いと、患者さん自身に「自分が病気である」ことの認識が乏しいために、家族からいきなり精神科への受診を勧めても受診を拒むケースがあります。
このような場合、家族は頭ごなしに患者さんの言動を否定せず、何を恐れているのかを丁寧に聞いてあげてください。家族は患者さんの苦しみを受けとめてあげるのです。平常心を持った家族が、平常心の弱り切った患者さんと交流を持つことが大切です。ポジティブな心と触れ合うことで患者さんの意識も変化します。
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