豪首相が謝罪「AIの不祥事」に学ぶリスク管理 迫るEU法規制、日本企業も制裁の対象になる
企業がAIを使うときも、こうしたリスクがあることが可視化され始めていると言えます。
オープンAIが提訴された「著作権侵害」の問題
――AIが倫理的に不適切なアウトプットを作ってしまうなど、ほかにも想定外のさまざまな問題が起こっていますが、こうした問題はなぜ発生するのでしょうか。
EUでAIを規制する法案が2021年に公表され、この5月に成立しました。2026年に全面適用される見込みで、AI技術の進展に沿って法律が追い付いていく流れはできています。
しかし、法律で守らなければいけない範囲はこれだ、というものがある一方で、倫理的に受け入れられるべき範囲はなかなか白黒つけられていません。
――また、企業にとって気になる問題としては著作権侵害があります。2023年にはニューヨーク・タイムズが著作権を侵害しているとしてオープンAIを提訴しました。
AIは、全般的に元ネタとして学習データを読み込んで文書や画像等を作成しますが、現状では元ネタの中にインターネット上の他人の著作物が含まれていることがあります。その著作物を引用する、あるいは原典を明らかにしないまま別のアウトプットを作ることに対して法的に問題となるかは、まだ明らかな判決が出ていません。
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