レクサスのミニバン「LM500h」本命6人乗りの中身 単なるアル/ヴェルの豪華版ではない仕上げ方
特に頭部の揺れが疲労に大きく影響するため、座面の体圧分散や体幹の保持を追求。身体を腰で支えるシート構造を採用し、骨盤を少し立て気味にすることで、快適性の高いシートにしたと説明される。
4人乗りのエグゼクティブは、前後席を仕切るパーティションが、ボディ剛性に寄与する構造材の役目を果たしていた。それを取り払って同等の剛性を確保するのは、骨の折れる作業だったようだ。
それでも、バージョンLの特徴は“走り”なのだという。一度乗ったら、「もうセダンには戻れない」と思ってもらえるようにと、開発陣は気合いを入れて仕上げた。
「クルマの動きをドライバーの感覚に合うように調整しました。たとえば、車体のロール(左右の傾き)は不自然さがないようなスピードで、しかも走行中に車体のまわりを流れる空気まで使って抑えています」
落畑主幹は、「見えないところに、もっともこだわっています」とし、走りの質感も高いレベルで追求。
東富士研究所とToyota Technical Center Shimoyama、両方のテストコースを使ってドライバビリティを磨き込んだ。特に後者の、ドイツ・ニュルブルクリンクを模した第3周回路で走りこんだという。
「結果、どんな道でもセダンの感覚で攻められる仕上がりのクルマになりました」と、落畑主幹は胸を張るようにして言った。
日本で「6人乗り」が登場した意義
今回の2代目LMが販売されるのは、中国をはじめとするアジア、オーストラリア、ヨーロッパ、そして日本のあわせて62の市場。
ヨーロッパでは、ミニバンというと今も商用車ベースが一般的なため「あまり期待していなかったが、とても良いクルマだ」と高く評価されたという。たしかに、乗用車ベースのLMのような大型ミニバンは、あまり類がない。
アメリカへの導入は見送ったが、今になって「販売すればよかった」と言っているとも聞く。ただし、安全基準などの点で、車両が完成してから、新たな仕向け地に対応させるのは、現実的にほぼ不可能なのだそう。
3列シートのミニバンが基本的に好まれるだけに、アメリカの人にはますますもって残念だが、日本で6人乗りのバージョンLが発売された意義は大きい。アルファード/ヴェルファイアとのすみ分けも含め、日本ではおもしろい存在になるのではないかと思うが果たして。
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