成功には「目標設定」は必要ない、ではどうする? 結局、毎年同じ目標を設定するはめに終わる

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そもそも目標というのは、自分の知っている範囲でしか立てられません。自分のまだ見ぬ可能性は、目標に入れられないのです。自分の知っている範囲で考えつく目標に固執することで、自分の選択肢を狭めてしまう可能性もあります。今の自分が持っている、たくさんの「あるもの」に目を向けてみましょう。

感情を詳しく表現できるとメンタルが安定する

私が実践する振り返り方法は、「書く」と「振り返る」を分けてやります。書くだけではなく、「書いたことを振り返る」ところが大切なのです。

なぜ、書くだけではダメで、振り返る必要があるのか? これには明確な理由があります。まずは、書くことの効果を理解しましょう。

書くことの重要な効果は、感情を言語化し、気持ちが整理されることにあります。泣いている赤ちゃんを想像してみてください。赤ちゃんが泣いたら、親は「あれ? 何か不快なことがあるのかな?」と異変を察知して、「お腹が空いたのかな?」「おむつが汚れたのかな?」と不快を生み出している原因を探ります。

赤ちゃんは言葉を話せないので、泣くことで不快を伝えようとしますが、実は、生まれたばかりの赤ちゃんは、そもそも自分が何を不快に感じているか自分では特定できていないそうです。お腹が空いているのか、眠いのか、痒いのか、自分では認識できていません。

赤ちゃんの気持ちを代弁すると、「何が気持ち悪いのかわからないけれど、なんか不快! 助けて!」といった感じでしょうか。

考えてみてください。これって、赤ちゃんだけの話でしょうか? 大人にも似たような状況はよくあると思いませんか?

嬉しいことも、危機的な状況も、心が動いたありとあらゆることを「やばい」の一言で表現したり、腹が立ったことを「なんか、ムカつく!」だけで終わらせていることは、多くの方が経験していると思います。

いったい何に心が動いているのか、それは悲しみなのか、怒りなのかを自分でもわかっていない。これは、何が不快かを自分でもわかっていない赤ちゃんと同じなのだと思います。自分の感情をより詳しく表現できる人の方が、よりストレスに強いという研究結果があります。感情を詳しく表現できると、脳が混乱せず、メンタルが安定するのです。自分の感情をより細かく特定していくことに、書くことが役立ちます。

何を恐れているのか言語化することで、緊張から解放された私の事例をご紹介します。あるとき、私は著名な大学教授と対談する機会をいただきました。この対談の1週間前から、私はとても緊張していました。1週間の内、3回も先生が夢に出てくるほど、常に対談のことで頭がいっぱいでした。でも、私は「あ~、緊張する~」というところで止まったままで、いったい何に緊張しているのかまで考えていませんでした。

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