楽天が電子書籍ストアを開始、まずはパナソニック製専用端末を投入、2年以内に全書籍の95%の電子化を目指す
ネット通販最大手の楽天は10日、電子書籍ストア「Raboo」のサービスを開始した。第一弾として、パナソニック製の電子書籍専用端末「UT-PB1」に対応、同端末から電子書籍の購入と閲覧ができる。
現時点では、対応する電子書籍フォーマットはXMDFのみに限られ、販売書籍点数もわずか1万5000タイトルにすぎない。そのうえ、専用端末の価格も3万4800円もするため、サービスとしての魅力はかなり乏しい。
ただ、今後は、電子書籍フォーマットは、秋には日本でメジャーな「.book(ドットブック)」に対応するほか、世界標準のEPUBへの対応も推進していく。また、端末も、ソニー製の専用端末やアンドロイド端末、状況によってはiOS端末(iPhoneやiPad)など、あらゆる機器に拡げていく方針だ。
電子書籍事業の成功は、つまるところ、あらゆる利用者が、ほしい(=新しくて人気のある)書籍を適正な(=安い)価格で購入できるかどうか、にかかっている。そのため、楽天では今後1~2年の間に、全書籍の95%を電子書籍として購入できる体制に持ってゆくことを目指している。とくに売れ筋の品ぞろえのいち早い充実に取り組む考えだ。価格設定も、楽天スーパーポイントを活用した実質値引きなどで訴求する。
楽天では、紙の本を扱う楽天ブックスと連動して、電子書籍がないタイトルは紙版の販売に誘導するなどして、紙版、電子版を連動させることでより売り上げが上がるようなプロモーションも計画だ。
また、中小出版社の場合は電子書籍を製作する技術や資本に乏しいことが多いため、こうした出版社向けに、サポートのツールやサービスを充実させていく。また、電子書籍化を促すため、必要に応じて資金支援をするようなプログラムも検討しているという。
電子書籍の一定の成功事例を作りさえすれば、一気に電子書籍の浸透、市場拡大が進むと見ている。
(丸山 尚文 =東洋経済オンライン)
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