「セクシー田中さん」悲劇を受けた春ドラマの現実 あれから4カ月、ドラマ制作は変わったか?
また、原作者との関係性の次に重要なのは、原作ファンを納得させるものなのか。少なくとも落胆させるものにならないか。その点、今春の3作は多少の批判的なコメントこそあれ、原作ファンを怒らせるような事態には至っておらず、ここまでは問題ないように見えます。
深夜帯では相変わらずの漫画依存
ここまで書いてきたようにゴールデン・プライム帯のドラマはオリジナルが多く、漫画原作の作品でも、原作者の理解を得るための丁寧な対応が見られます。
しかし、深夜帯のドラマに目を向けると、相変わらず漫画原作の作品が量産されているのも事実。今春も、
と、深夜帯の過半数が漫画原作に頼っているという状態が見られます。
深夜帯のため見る人が少なく、ネット記事やSNSのコメントも少ないから影響力が限定的なのは確かであり、実際に大きなトラブルはありません。ただ、配信の利用者が増え続ける今、前期の「離婚しない男-サレ夫と悪嫁の騙し愛-」(テレビ朝日系)のようにクチコミで一気に視聴者が増える作品もあります。今後はゴールデン・プライム帯と同じレベルでの丁寧な対応が求められていくのではないでしょうか。
最後に話を「セクシー田中さん」に戻すと、日本テレビの調査は2月23日にスタートしました。局内のドラマ班や脚本家など関係者への聞き取りを行っているほか、同作だけでなく過去の漫画原作ドラマの関係者からもヒアリングするなど、広く意見を求めているそうです。
これは「絶対に再発させないためにじっくり調べる」というスタンスであり、発表時期の延期はポジティブに考えればいいのかもしれません。しかし、一度失ってしまった世間の信頼を回復するためには長年にわたる地道な努力が必要なだけに、局を越えて業界全体が制作姿勢を問われていることは間違いないでしょう。
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