VW、中国専用「E/Eアーキテクチャー」開発の思惑 小鵬汽車との協業深め、開発スピード向上図る

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VWと小鵬汽車が共同開発するE/Eアーキテクチャーは、自動車の機能を電気的・電子的に制御するシステムの全体構造のことだ。エンジン車時代のE/Eアーキテクチャーは、エンジン制御やブレーキ制御など機能別のECU(電子制御ユニット)が1台のクルマに50~100個も搭載された分散型のシステムだった。

VWの中国事業を率いるブランドシュテッター氏は、小鵬汽車と共同開発するE/Eアーキテクチャーの性能に自信を示す(写真はVW中国法人のウェブサイトより)

それを大きく変えたのが、アメリカのEV大手のテスラだ。同社は自動車のあらゆる機能をわずか数個の統合ECUで制御する中央集中型のシステムを開発。ECUの数を大幅に減らすことで、無線通信を介した制御用ソフトウェアのアップデートも容易にした。

テスラ以外の自動車メーカーも、E/Eアーキテクチャーの変革を模索している。現在の研究開発の主流は、自動車の機能を車体制御、自動運転、スマートキャビンの3領域(ドメイン)に分け、それぞれを統合ECUで制御するシステムだ。

自動車開発に根本的変化

VWのブランドシュテッター氏によれば、小鵬汽車と共同開発するE/Eアーキテクチャーは、ドメイン制御と準中央制御を組み合わせた「非常に先進的」なものになるという。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

このシステムは、2026年の発売を目指す2車種の共同開発EVに搭載するほか、VWが中国市場向けに(単独で)開発している4車種のエントリークラスのEVにも搭載する計画だ。

E/Eアーキテクチャーの変革は、自動車をいわば「車輪のついたコンピューター」に変える流れだ。車両のすべてのハードウェアをソフトウェアで統合的に制御することで、各機能のチューニングや新機能の追加なども可能になる。それは自動車の開発手法を根本的に変えることになるだろう。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は4月17日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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