円安でも意外に安価「ノルウェー鉄道旅」の醍醐味 物価高対策にはコツがある、ITには慣れる必要
オスロからベルゲンへ向かった日は、ミュルダールで途中下車、観光路線のフラム鉄道に乗車した。1時間ほどの距離であるが運賃は470NOK(6634円)。「ユーレイルパス」の適用外である。筆者は1990年代にもこの路線に乗車したが、そのときは「ユーレイルパス」を利用している。ほぼ観光客しか利用しない路線なので国鉄から切り離されたのであろう。
ベルゲンからトロンハイムへは空路を利用(東京―大阪間とほぼ同じ距離)、こちらは運賃が6126円と格安、物価高の国でもLCC(Low Cost Carrier=格安航空会社)は日本より安く感じた。
北海道のような雄大な景色
ノルウェーは日本とほぼ同じ面積に人口541万人と少ない(日本の20分の1以下)。首都オスロと第2の都市で観光地のベルゲンを結ぶ路線は電気機関車の引く食堂車を含む客車8両編成だったが、その他の長距離列車の多くは4両編成、うち1両が座席と食堂合造車の電車である。近郊区間を離れると単線で、景色は雄大、道北か道東を走っているような自然が広がる車窓となる。
乗車率が高いわけでもなく、どう考えても儲かってなさそうな鉄道で、日本のように儲かる新幹線があるわけでもないのに路線が維持できているのは、やはり国鉄であるという点が大きいと感じた。
ノルウェー国鉄のなかで「儲かっていそう」と思ったのはオスロの空港鉄道で、「フリートルゲ」という空港特急はオスロ中央駅と空港の間を19分で結び、10~20分間隔で運行するが、運賃は230NOK(3252円)である。同区間は普通列車も走っていて所要時間は23分と、たった4分しか変わらないにもかかわらず運賃は118NOK(1675円)と安くなる。普通列車とてクロスシートなので車内設備に大きな差はないが、それでも空港特急は盛況であった。
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