エンジン?電気?「フォルクスワーゲン」の本音 単独インタビューで見たシェーファーCEOの愛
「将来ゴルフは、新しいプラットフォーム(SSP=スケーラブルシステムプラットフォーム)を採用してピュアEVになります。その路線は変わりません。計画では2020年代後半の導入です」
コンピューターの画面に登場したシェーファーCEOは、通称「ゴルフ9」と言われる未来のゴルフについて、そう語る。そして「たしかに……」と言葉を続ける。
「現在の販売状況をみると、アメリカや中国といった大きな市場では、ティグアンの販売台数がゴルフを抜いているのは事実です。でも、今後もゴルフはフォルクスワーゲンのラインナップの中核であり続けると思います。はっきりしたことは、現時点では言えませんが」
ゴルフは中核モデルのまま、ただしBEVに。つまり、フォルクスワーゲンのBEVシフトは着実に進むということだろう。
「GTI」や「R」の次世代は?
「このところピュアEVの販売は、やや停滞しています。ウクライナでの戦争の影響があって電気代が高騰すると同時に、金利も上がって、逆風が吹いていたためです。しかし、金利は下がってきており、状況は持ち直していると思います。私たちは、カーボンニュートラルを目指す企業であり、そのためには製品の電動化がもっとも効率的でしょう」
さらにシェーファーCEOは、「だから、CO2排出量の少ないモデルを開発する手を休めるつもりはありません。2024年中に発表するゴルフ8.5のプラグインハイブリッド(PHEV)は、モーターだけで最大100km走ります」
ゴルフのポジションは、決してゆるがせにしないつもりだとする。つまり、ゴルフはフォルクスワーゲンにとって、これからも重要なモデルであり続けるということだ。
「ゴルフには、ゴルフGTIやゴルフRといった素晴らしいヘリテージがあります。ただし、これから同じクルマを作っても意味はなく、私たちは新しいGTIや新しいRを生み出さなくてはなりません。これらのクルマを愛してきてくれた人たちに対して、私たちから将来、愛をクルマの形で返したい。それこそが、私の考えるLove Brandのあり方なのです」
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