エンジン?電気?「フォルクスワーゲン」の本音 単独インタビューで見たシェーファーCEOの愛

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ゴルフ9について具体的なことは語られないけれど、たとえば、間もなく登場するゴルフ8.5でPHEVのEV走行距離を拡充するなどの性能向上は、「ゴルフでなくては」と考えるユーザーのため、ということだろう(日本へのPHEV導入は未定だが)。

さらにもうひとつ、期待の新車がある。2025年に発表が予定されているコンパクトなハッチバック「ID.2 all(アイディーツーオール)」だ。

まるでガソリン車のようなスタイリングのID.2 all(写真:Volkswagen)
まるでガソリン車のようなスタイリングのID.2 all(写真:Volkswagen)

コンセプトモデルを見ると、現行「ポロ」の後継車と言われてもなんの違和感も抱かない魅力的なルックスであり、同時に「ID.GTI」なるホット版の計画もすでに発表されている。

「私たちは、それがピュアEVであろうとICE(エンジン車)であろうとハイブリッドだろと、ユーザーに『欲しい』と思ってもらえるモデルを提供していくつもりです。これからも、顧客のニーズにフォーカスしたモデルを出していくと約束します」

「それが、顧客の求めているものだから」

「ID.GTI」コンセプトが発表されたのは、2023年にミュンヘンで開催された「IAAモビリティ」だった。そのとき、シェーファーCEOは次のようにコメントしていた。

IAAモビリティでは赤いID.GTIコンセプトもお披露目された(写真:Volkswagen)
IAAモビリティでは赤いID.GTIコンセプトもお披露目された(写真:Volkswagen)

「経営資源、この場合はパワートレインのことですが、それをバランスよく配分していくことが大事だと考えています。1年前、『フォルクスワーゲンはICEに投資しすぎだ』と批判されました。しかし、どうでしょう。今はそれが正解だったと思います。将来はBEVであることを疑っていませんが、しばらくは、フレキシブルにパワートレインのラインナップを構成していきます。それが、顧客の求めているものだからです」

そこでシェーファーCEOはもう一度、「それがLove Brandの務めなのです」とした。今回のオンラインインタビューを通じても、フォルクスワーゲンのCEOとして心からそう思っている様子が伝わった。ひとりのクルマ好きとして、私はこの路線、大いに支持したいと思う。

【写真】「ID.GTI」コンセプトのデザインを詳しく見る
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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