人気の1人前「冷凍食品」開発の裏側がすごかった 定番品に加えて高単価商品のジャンルも拡大

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焼き目は新商品の重要な特徴で、決して妥協できない。機械をゆっくり動かすことで焼き目を付けられたが、量産には不向き。現場は試行錯誤を繰り返し、季節はすでに夏になっていた。

あんかけ焼そばのあんと麺のトレイは二層構造になっている(記者撮影)

9月の発売を前に営業からは具体的な注文数が飛んでくるが、注文量に到底届かない。結局、効率よく焼き目を付けるための調整は発売直前まで続き、なんとか出荷にこぎ着けたという。

営業側も発売前に試食などを通じ、競合と戦える自信作であることをスーパー側にアピールして協力体制を構築していた。

売り場ではニチレイの看板商品「本格炒め炒飯」と並べて打ち出した。炒飯は発売から23年間カテゴリーのトップをひた走るロングセラーで、炒飯のファンにあんかけ焼そばをアピールする作戦だった。

目標はロングセラー商品

発売後、あんかけ焼そばは好調に売れ続け、工場の生産も軌道に乗ってきた。今後はさらに認知を広げるために定期的なプロモーションを実施し、顧客満足度調査を基にした細かな刷新も重ねていく考えだ。

蟹沢氏は現在の商品について「生産してみないとわからないこともあった。本当に狙っていた味に向けて、これからも改良を重ねたい」と話す。ニチレイには改善を繰り返してきたヒット商品「本格炒め炒飯」のノウハウがある。次なる目標はロングセラーへの定着だろう。

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