人気の1人前「冷凍食品」開発の裏側がすごかった 定番品に加えて高単価商品のジャンルも拡大
あんかけ焼そばを選んだのは、冷凍食品の中で麺類は発展途上で伸びしろが大きいから。ただし強力なライバルとしてマルハニチロの「五目あんかけ焼そば」が存在した。冷凍食品の人気投票「フローズンアワード2023」(食品総合卸の日本アクセス社が実施)で麺類部門1位を獲得した王者である。
開発のハードルは高かった。ライバル商品と差別化したうえで完成度が高く、市場を広げる商品が求められた。
販路となるスーパー側のメリットも必要だった。ほかの中華麺やラーメンよりも売れて、他社商品を棚から蹴落とす実力を備えなければならない。「100%の確信を持って出さなければだめだと考えていた」と蟹沢氏は語る。
ライバルと差別化、王道で勝負
開発スタッフはさまざまなレストランを食べ歩き、モニター調査も行いながら味の方向性を固めていった。結果、中華レストランが監修するライバルと差別化し、しょうゆとオイスターソースがベースの王道の味で勝負することに決めた。豚肉と野菜の具材のおいしさを引き出し、あんはやや甘めにするなど、男性だけでなく女性にも好まれる味を目指した。
重視したのは、麺にしっかり焼き目を付けて香ばしくすること。ラボでの試作品では焼き目を付けられたが、実際に山形工場のラインで生産すると、思うように焼けなかった。現場に緊張が走った。
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